「あなたの食生活は大丈夫?」20代から気を付けるべき食事について

はじめに
日頃、「食事」を意識して摂取していますか?
若者だといって、ジャンクフードばかり食べていたり、栄養が偏った食事をしたり
していませんか?1日1食だけで、サプリメントを摂る生活などしていませんか?
私は現在、病院で管理栄養士として勤務しています。
これまで、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病を始め、肝臓病や腎臓病、又拒食症などを
患った患者さんと接してきて、食事に対する
<情報・知識不足>や<個人に都合のいい情報取得>等、
怖いなと実感しているところです。
今回は、厚生労働省の食事摂取基準に基づいた一般的な食事の摂取方法について、
ほんの一握りではありますが、情報提供させていただきます。
平均寿命と健康寿命
生きているのであれば、寝たきりの生活ではなく、健康の不安なく、元気に過ごしたいですよね。
こんな統計があるのはご存知ですか?
それは、
「平均寿命と健康寿命の差は、男性で約8年、女性で約12年である」(※国民健康栄養調査より)
ということです。
ここで言う平均寿命とは、
「その年に誕生した子どもが、何年生きるか」を推計したもののことで、
健康寿命(※WHO(世界保健機関)が2000年に提唱)とは
「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことです。
この差は日常生活に制限のある「健康ではない期間」を意味します。
これによってわかることは、生きていても、不健康のために不自由する期間があるということ、
また、そのぶん医療費は増大するということです。
時間・お金が満足にあったとしても健康が侵されると、幸せとは言い切れないと思います。
では、健康に生活するための食生活とはどういうものなのでしょうか?
食事とは
「食事」とは、
生命維持に必要な栄養を摂取するために、日々習慣的に何かを食べることです。
人間は食事を摂取することで体内に栄養素を取り込み、生きることができています。
栄養を取り込む細かいメカニズムを知らなくても、家庭の食卓や学校教育により、
食事の摂り方を習得してきたと思います。
しかし、本来、食事は身体を“健康”にするものですが、
核家族化や飽食の時代になった今、食事の選択肢を間違い続けることで“不健康”にも
なってしまいます。
五大栄養素
健康番組でよく言われる「バランスのいい食事」は、どのような食事と思いますか?
この表現はちょっと抽象的すぎますよね。
一般的には、次の五大栄養素が揃っている食事が「バランスのいい食事」と言われています。
全ての栄養素の相互作用により消化・吸収の滑車がうまく回るようになるため、
これらは、1食の中でどれも欠かせない栄養素です。
① 炭水化物 ・・・<ご飯・パン・麺類>
② たんぱく質 ・・・<肉・魚・卵・大豆製品>
③ 脂質 ・・・<油、マヨネーズなど>
④ ビタミン・ミネラル・・・<野菜、海藻、きのこ類>
何をどのくらいが適量?
適量は、性別・体格・身体活動量・筋肉量などにより左右されますが、
ここでは20代日本人の平均身長の方が普通体重(BMI(標準体重)22)の場合、
食事療法が必要な疾病に罹患していない方の1食当たりで考えます。
(男性:身長171㎝・体重64㎏、女性:身長157㎝・体重54㎏)
① 炭水化物
男性:ご飯200g、食パン:2枚、麺類:乾麺80g
女性:ご飯150g、食パン:1枚半、麺類:乾麺60g
(参考:コンビニのおにぎり1個のご飯量が100g)
② たんぱく質
肉・魚60g(手の平サイズ)、卵1個、大豆製品(豆腐100g、納豆1パック)
男性:上記を1食1〜2品、1日5〜6品選択
女性:上記を1食1〜2品、1日4〜5品選択
③ 脂質
油として1日10g(大さじ1弱)未満
※ベーコンや豚バラは油のを豊富に含むので、油の仲間となります
④ ビタミン・ミネラル
1食小鉢2品程度(1食当たり100〜150g)
これらの栄養素の適量を見て、どのように感じましたか?
「私は大丈夫」「これは足りてるけど、これは足りてない」「全部多い、少ない」
など様々だと思います。
自分の食事の問題点を少しでも早く発見し、焦らずに少しづつ食生活を改善することで
今後の健康的な生活が継続できるようになれたらと思います。
まとめ
情報が溢れている時代に、正しい食事の仕方を知ることは重要です。
これを理解した上で、応用をしていくべきだと思います。
特殊な食事療法(糖質制限やファスティングなど)を実施する時は、
健康診断などで健康状態を把握した上で実施して下さい。
例えば、糖質制限は、たんぱく質・脂質の摂取量が増えるため、腎臓疾患がある方は
症状を増悪する可能性が考えられ、”不健康”になってしまいます。
今回提示した食事内容を理解していただけると嬉しいです。
ファストフードや菓子類も嗜好品として摂取することは否定しませんが、
これらが、「食事」とならないように注意してくださいね。
まずは、五大栄養素をバランスよく摂取することを心がけましょう。
食事をバランスよく食べ、健康で、元気な毎日を過ごしましょう。
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