映画「ディオールと私」から学ぶ一流の仕事術〜フランスを代表するブランドに密着した映画を観た感想〜

こんにちは。たっきゅーです。
世間では、コロナウイルスが流行し、東京は外出自粛となっています。
外出自粛により映画を観る機会が増えた為、鑑賞した作品の紹介をします!
この映画を見る前まで、私は、コレクションの映画と言えば、ランウェイするモデルさんやデザインされた服などの表舞台がメインとなる映画かなと思っていました。
しかし、この映画には、モデルさんの話は少なく、コレクションが開催されるまでの舞台裏の様子を知る事ができます。
驚愕と感動、そして、仕事への意識を学ぶ事が出来る作品でした。
「ディオールと私」の概要
この映画は、世界的ブランド「クリスチャン・ディオール」に、2012年に新しくデザイナーとして就任したラフ・シモンズと職人達の、舞台の裏側に密着したドキュメンタリーです。
通常のコレクションまでは半年近くの準備期間が必要とされるなか、就任して最初のコレクションまでに与えられた期間はわずか8週間。
その中で、オートクチュール(高級注文服)未経験であったラフ・シモンズと針子達が、自分達の仕事のプライドを持ち、如何に質を下げず、最高のコレクションを作り上げるか、という仕事ぶりをこの映画で見る事ができます。
映画に出てくる用語
この映画の中で、何となく聞いた言葉や初めて聞く言葉があったで、簡単にまとめさせて頂きました。
オートクチュール:高級注文服、高級仕立服。個人のお客様から注文を受けた服を、それぞれのブランドのお針子さんが手作業で製作し、完成した服を注文したお客様にお渡しします。
プレタポルテ:高級既製服。個人のお客様ではなく、一般のお客様向けに工場で一括して生産された服を販売店が売ります。
メゾン:フランス語で家、住宅という意味です。また、会社、店という意味もあり、ファッション業界では主に、ブランド、メーカー、会社の事を指します。
アトリエ:フランス語で仕事を行うための専用の作業場のことで、英語ではスタジオと言います。
ブランド「クリスチャン・ディオール」とは
1946年に、フランスのクリスチャン・ディオールが、ファッションブランドとして「クリスチャン・ディオール」を創設しました。
このブランドは、オートクチュール(高級注文服)服飾、バッグ、革製品、宝飾・時計、コスメ・香水などファッション業界で幅広く展開しています。
「ラフ・シモンズ」とは
1995年、ラフ・シモンズが自身の名を冠したブランド「ラフ・シモンズ」を立ち上げました。
「ラフ・シモンズ」は、ベルギー、フランスを拠点とするのファッションブランドで、主にメンズウェアを展開しています。
ブランド「クリスチャン・ディオール」にデザイナーと抜擢された当時、ラフ・シモンズはメンズウェアの世界での知名度はありましたが、オートクチュールの世界では知名度は低かったようです。
ですが、クリスチャン・ディオールにデザイナーとして就任してからは、ウィメンズのオートクチュールとプレタポルテ、そしてアクセサリーのコレクションを手がけていきました。
印象に残ったシーン
ブランド「クリスチャン・ディオール」の針子さんがインタビューでこのような事をおっしゃっていました。
“We still work for Dior. His spirit is still here.”
「私たちはディオールのために働いているの。彼の魂はまだここにあるわ。」
メゾンの創設者であるクリスチャン・ディオールがこの世を去って尚、彼を尊敬し、またディオールで働いている事にプライドを持っているように感じました。
また、こんな事もおっしゃっていました
“Haute couture is the heart of the Maison.People are important.So Dior has a soul.”
「オートクチュールは、メゾンの心臓。人材が大事になる。だからディオールには魂がある」
無理難題な要求にも対応していく姿に、針子さん達の仕事への情熱やプライドが見られました。
次は、ラフ・シモンズの言葉です。
“I see art works every day. You can relax and get inspired. Also linked to work.”
「毎日アート作品を見る。リラックスも出来るし、霊感も得られる。おまけに仕事に結びつく」
日々感性を磨く事でクリエイティブな発想も生まれ、ファッションにも生かせる。と、のことでした。
また、こだわりのあるラフ・シモンズは生地と色彩への妥協も許しませんでした。
業者は難しいと言っていましたが、
「最後まで諦めない。ショーギリギリでも諦めない」
とおっしゃっていました。
それを観て、質を下げずに自分の理想に向かって諦めず進んでいく事、自分の意見に対して、自信を持つ事の大事さを感じました。
ラフ・シモンズは、ショー前日に針子さん達に花を送りました。
そして、こうおっしゃっていました。
「職人魂に深く心を打たれました。ディオールの一員として共に仕事が出来て光栄です。」
ラフ・シモンズは、「ファッションは対話」ともおっしゃっていました。
コレクションは1人で成功させる事が出来るものではなく、
チームの協力があって、初めて成功させる事が出来るもので、チームに問いかけ良いアイデアがあれば、どんどん導入していく事を大事にしていました。
そういった事から、針子達ともビジネスパートナーとして対等な立場で接していきながら、コレクションに向けて準備を進めていきました。
熱心な準備の結果、コレクションは無事大成功を納めました。
最後に目に涙を浮かばせながらランウェイするラフ・シモンズの姿は颯爽としていて、大仕事をやり遂げた達成感に満ち溢れたようで、とても素敵でした。
コレクションと言うと、今までは、表舞台しか見た事がありませんでしたが、
この映画を観て、裏舞台でのデザインナーの仕事へのプライドと、針子さん達の対応力やプライドのぶつかり合いなどから、素晴らしいショーが生まれる事を知り、
コレクションをより素敵な舞台として、感じる事が出来ました。
また、より良い物を生み出す為に、誠意を持ちつつ、自分の意見と相手の意見を擦り合わせて行く為の、柔軟な考え方を持つ事の重要性も学びました。
多くの学びを得ることができたいい映画でした。
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