集中力を鍛える!スキマ時間との上手な付き合い方

多くの仕事を抱える私たち
「もっと効率よく仕事をこなせるようになりたい」
このように考えることはありませんか?
日々業務に携わる皆さんは、ただ一つの作業に集中するわけには行きませんよね。
プロジェクトを進めながら、一方では別事業の企画を準備するなど、
私たちの生活にマルチタスクは欠かせません。
そのような状況下では、常に仕事のことを考えているという方も多いのでは。
そして時世を反映してか、ある言葉が流行したのです。
それが「スキマ時間」です。
Google検索で「スキマ時間」と入力すると、たくさんのトピックが表示されます。
・スキマ時間で稼ごう!
・スキマ時間で副収入を得よう!
・スキマ時間を使いこなそう!
・スキマ時間活用術!
スキマ時間とは、休憩などの空いた時間をどう利用するかの指標として認知が広がっています。
より多くの仕事をこなしたい皆さんならば、このスキマ時間を利用しない手はないですよね。
近年ではスマートフォンの登場とSNSの発達によって、あらゆる情報が目まぐるしい速さで変化しています。
ですからその情報に追いつき活用していくには、少しの時間も無駄にできないと、世間では認識されていると言えるでしょう。
私自身このような環境で生活する中で、スキマ時間に何をするかが重要であると感じていました。
より高い成果や業績をあげるには、マルチタスクで常に仕事のことを考え、他人より行動する時間を増やさなければ競争に勝てません。
このような考えが正しいと信じていたのですが、ある一冊の本で、私は思考を変えることとなりました。
こちらの書籍「悩みの9割は歩けば消える」は、スキマ時間を「休憩時間として」捉えることを目標としています。
この本によって、スキマ時間は何のためにあるのか、どう活用すべきかを考えることができたのです。
この思考がどのように業務の効率化につながるのか、皆さんにシェアしていきます。
スキマ時間とはなにか考える
毎日忙しく仕事をされている皆さんは、休むことについてどう考えていますか?
作業に追われていると休憩をとる時間も惜しんで、仕事に打ち込むこともあるでしょう。
ところで「休む」ことと「仕事」とについて、このような意見を聞いたことがありませんか?
「しっかり休憩を取って、業務にメリハリをつけることが、良い仕事につながる。」
「休憩している暇があったら、その時間を勉強など自己投資に使うべきだ」
「休む」ことについて肯定と否定の意見を挙げるとすれば、以上のように分かれるのではないでしょうか。どちらも成立する意見です。
ですがこの意見ではどちらも、「休憩は仕事のためにとるもの」と定義しています。
私たちはいつの間にか、「休憩時間=仕事の合間にある時間」と捉えてしまっているのです。
だからこそ、「スキマ時間」なる言葉がなんの疑問符もつかずに流行ってしまうのではないでしょうか。
休憩時間を自己投資に使うのは、素晴らしいことです。
ですが、読んで字の如く休憩なのですから、その時間も仕事のことを考えるのはおかしくはないでしょうか。
誰もが実際には休憩できていないのです。
そして、冒頭で述べたように情報社会ではマルチタスクが求められます。
求められるからしなくてはいけない、つまり、自ら望んでスキマ時間を作る人は少ないのでは。
働いていくために仕方なくやっている。
果たしてこのような休憩は、業務の効率性につながるでしょうか?
スキマ時間から得られるもの
本書では以下のように書かれています。
まるで「ムダな時間を過ごしてはいけない」という強迫観念にとらわれているかのようです。
私たちはもはや「ただ、休む」ということすら、できなくなっています。
1つのことに意識を集中することができず、常に、何かをしながら別のことを考えている。
いってみれば、「心ここにあらず」が常態化しているのです。
また、次のようにも書かれています。
複数のタスクを処理しようとあれこれ気を回していると、1つ1つの判断力が低下し、仕事のスピードもクオリティも落ちてしまいます。
「もっと良い成績を出すには、周りが休憩しているときに動かなければならない。」
確かに、その通りです。
人より多く動くことは、それだけ行動範囲も質も向上するでしょう。
その結果効率を上げて、他人よりも数多くのチャンスを獲得できるかも知れません。
ですが休憩を疎かにすることで、行動一つ一つのパフォーマンスが落ちているという問題に着目できる余裕が、失われてはいませんか?
私たちはより効率的な作業を求めて、スキマ時間を埋めているはずではないでしょうか。
平たく言えば、「スキマ時間に動いてもっと仕事ができるようになりたい。」との願いがあるはずです。
ですが本書に挙げられているように、スキマ時間を無闇に埋めることは目的と真逆の効果を生んでしまっています。
では、私たちはどのようにスキマ時間と向き合えば良いのでしょうか。
休憩だけに集中しよう
前項で述べたとおり、マルチタスクを固定概念化することは、より非効率な仕事へつながってしまうと言えるでしょう。
そこでマルチタスクを忘れ、休憩をする時は休憩だけに専念しましょう。
本書によれば、
脳科学の研究でも、目の前のことに集中している人ほど幸福感が高く、「心ここにあらず」の人ほど幸福感が低いことがわかっています。
と書かれています。
私たちが休憩する目的はなんでしょうか。
リフレッシュして疲れをとりたい、情報過多でパンクしそうな頭を休めたいなど、様々な理由があるでしょう。
「休憩して頭を切り替え、仕事をがんばりたい。」
あなたがそう望むのなら、ぜひ仕事のための休憩ではなく、休憩のための休憩をとりましょう。
目の前の休憩に集中するのです。その結果、今までと違った景色が見えると言います。
本書では次のように書かれています。
ふだん何気なく繰り返している行いに注意を向ければ、すなわちそれが瞑想になります。
さらには、
集中力や判断力、コミュニケーション力、ストレス耐性が向上したり、自信が深まったりするという効果がわかってきています。
とあります。
つまり、休憩自体に集中することで、より高い集中力を仕事へ向けられるのです。
効率的に仕事をするためには、常に仕事のことを考えるのではなく、目の前の一つ一つの行動について集中することを意識しましょう。
そのためには、スキマ時間でただ休むことに集中できる力をつけましょう。
集中するための手順として本書では、禅への意識を提唱しています。
禅の修行では、今この瞬間に集中することを目的としています。
私たちはマルチタスクに追われていますが、同時処理を求められる環境では、一つ一つの業務へのより高い集中力が試されます。
その集中力を養うのに、禅は効果的なのです。
本書では、タイトルにあるように「歩く」禅が推奨されています。
近年、グーグルやマイクロソフトといった世界をリードする企業が、社員研修や従業員のストレス対策として取り入れたことで急速に知られるようになりました。
このように述べられており、大企業で実際に行われているのがこの歩行禅です。
詳しい禅の内容を知りたい方はぜひ、本書をお読みになってみては。
まとめ
「スキマ時間に自己投資をすることで、より仕事ができるようになる」
という意見に疑問を抱かなかったのは、それが正しいことであるような、正攻法であるかのような思い込みからでした。
私には「スキマ時間の自己投資で成功した経験」がありません。
ですからこれを信じたとしても、その根拠はありません。そうであって欲しいという願望でしょう。
つまり、自分の頭で考えていませんでした。
常に仕事のことを考えてしまい、頭が混乱しながらも、社会人はこうして仕事をするものだと深く考えていなかったのです。
この本に出会い、目の前の一つ一つの行動に集中する力をつけることが、マルチタスクにおいても効果を発揮することを学びました。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんもぜひ、スキマ時間には良い休憩をとりましょう。
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