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利益の最大化が最適解とは限らない?囚人のジレンマから行動を振り返る

勉強

「行動」と「選択」

「自分の取った行動は正しい選択か?」

いつになく真面目モードな、たくべーです!

ここ最近のニュースの中で、マスクが売切れたり、食品が売切れたりと危機感に煽られた人の行動が目に留まります。
不安や危機感に煽られた結果、コロナ鬱なんて言葉まで出てきていますね。

誤解しないで頂きたいのですが、それが決して悪いと言いたいわけではありません。

ただ、

自分と同じ選択を、他の人も取った場合どうなるのか?

考えたことはあるでしょうか。

こういう時節柄だからこそ考えて頂きたいテーマだと思い、今回はゲーム理論の中でも有名な「囚人のジレンマ」を取り上げていきます。

※「囚人のジレンマ」とよく並べられる、「共有地の悲劇」、「合成の誤謬」も考えさせられるので、興味があれば是非調べてみてください!

「ゲーム理論」とは

ゲーム

初めて耳にする方も居るのではないでしょうか。
詳しく解説すると長くなるため、ここでは概念的お話をします。

簡単に言えば、利益獲得ゲームです。

大きく「協力ゲーム」と「非協力ゲーム」の2種類に分かれるのですが、今回は割愛します。

ゲームの参加者は、如何にして利益を最大化できるかを考えます。
ただ、このとき相手も同様に最大の利益を求めることになります。

互いが互いに最適解を求めたとき、ゲーム全体で見て最適となっているかは別問題です。

自分にとっての最適が、かえって最適ではない、むしろ不利益を生んでしまう可能性があるのです。

 

ゲーム理論とは、

利益を如何に合理的に得られるか。そのための選択とは何か。

自分と相手、利害関係の存在する間柄で、関係者全員にとって最適な選択を決める思考法です。

最適解になるとは限らない「囚人のジレンマ」

ゲーム理論でよく挙げられるのが、この「囚人のジレンマ」です。

ルールは単純。
容疑者となった2人がそれぞれ「自白する」、「自白しない(黙秘)」の選択を迫られることになります。

    • 1人が自白/1人が黙秘した場合、自白した方は無罪/黙秘した方は懲役10年
    • 2人が黙秘した場合、双方に懲役2年
    • 2人が自白した場合、双方に懲役5年

懲役の年数は例ですが、ここで重要となるポイントは自分の選択だけでなく、相手の選択も含めて損益が決まるという点です。

損益表は下記の通りです。

囚人のジレンマ

また、容疑者の2人は一切の情報を交換することはできません。

さて、あなたならどうしますか?

キーワードは3つです。

    • パレート最適
    • ナッシュ均衡
    • 社会的ジレンマ

1つずつ見ていきましょう。

パレート最適

ゲーム全体で見た時、誰かを犠牲にするような不利益を被る状態ではなく、改善の余地がない最適な状態のことを指します。

この場合、2人が「黙秘」する選択がパレート最適となり、プレイヤーが目指すべき選択となります。

パレート最適

2人が「自白」する選択(懲役5年)では、まだ改善の余地があります。
1人が「自白」、1人が「黙秘」では、片方のプレイヤーが不利益を被る状態となりパレート最適とは言えません。

 

ナッシュ均衡

相手プレイヤーの選択を加味し、双方のプレイヤーが選択を変更しても、利益の生まれない均衡した状態のことを指します。

まず自分の利益で考えてみましょう。
自分(A)は「自白」し、相手(B)は「黙秘」することが自分にとって最適(無罪)となります。

しかしそれは、相手も同様です。

では全体で考えるとどうなるか。
自分(A)は「黙秘」し、相手(B)も「黙秘」することが全体にとって最適(互いに懲役2年)となります。

これは先に挙げたパレート最適となる状態です。
しかし、これは相手が異なる選択をした際に、懲役10年のリスクを背負うことになります。

互いがリスクを避け、最適を求めた場合どうなるか。
自分は「自白」し、相手も「自白」する。最適と呼べないまでも、最悪でもない状態となるわけです。

ナッシュ均衡

こうなると、相手が「自白」し続ける以上、自分が選択を変更すると懲役10年を課せられることになるため、選択を変更できなくなるのです。

このように、双方のプレイヤーが最適を求めた選択をした結果、ある1点で均衡状態を保つことになります。
ここでポイントとなるのは、均衡は必ずしもパレート最適となるわけではない、という点です。

 

社会的ジレンマ

最適を選びたくても、全員が同じ選択をすることでかえって悪い結果となる。
それが社会的ジレンマです。

この「自白」と「黙秘」という選択肢は、「利己的」か「協力的」か、という選択です。

自分が無罪を得たいがために「自白」を選択し、相手も同様に「自白」を選択することで、互いが協力的に「黙秘」した場合に比べて損をしていることが分かると思います。

最適を選びたいが、不利益を被ってしまうかもしれない、というジレンマに陥るのです。

実際に起こりうる現象

この3つが実際にどう起きるのか。

これらは、普段から起こり得る身近な現象であることを忘れてはいけません。

例を挙げましょう。

商品販売と集客

お店側の目線で考えてみます。

同じ商品、同じ価値、同じ客層。集客を考えた時に取れる戦略が「値段を下げる」ことだったとします。

条件が同じ状況であれば客層は偏ることはないでしょう。
ただ一方が利益を追求しようと「値段を下げる」とした場合、それに追随する形で相手も「値段を下げる」ことになります。

結果として、条件は同じで、互いに利益が減った状態が生まれます。
条件が同じならば客層も変化しないためです。

車と地域、環境問題

車を利用されている方も多いでしょう。
よく言われる環境問題についても、ゲーム理論に当てはめることができます。

車は移動や荷物運びに便利です。公共機関に比べ、時間も経路も拘束されることもありません。

しかし、誰もが車で移動することを選択すれば、道路は渋滞を巻き起こし、排気ガスから環境汚染を引き起こします。

これらは極端な例ですが、「自分一人ぐらい・・・」という思いがあるのだとすれば、それは自分の選択を止められないジレンマに陥っていることになります。

参考)社会的ジレンマと 態度・行動変容研究の 交通行動への応用

まとめ

いかがだったでしょうか。

冒頭で日用品の売切れについて触れましたが、囚人のジレンマでいうところの、互いが「自白」を選んだ状態ではないでしょうか。

もう一度言います。自分の利益を求めることが悪いと伝えたいわけではありません。

ただ、危機感を煽られての行動、自己の利益を追求した行動はどうしても視野が狭くなります。

自分の生活は自分一人のものではなく、自分一人では成り立たないことを忘れがちです。

 

今一度考えてみてください。

 

必要以上を求めていないか?何かに代用できないか?

考えて他に選択肢がないのであれば、それは取るべき選択です。

今の行動が自分にとって本当に必要な行動か、「囚人のジレンマ」から見つめ直すきっかけになれたら幸いです!

最後までお読みいただきありがとうございました!

たくべー

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閲覧いただきありがとうございます。普段はSEをしております。学びや育成といったコンテンツに興味があり、人に物を教えたり、世話を焼くことが大好きな人間です笑。...

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