「芥川賞」180作を完全網羅!見えてくる時代背景

芥川賞ぜんぶ読む
勉強

こんにちは!
ライターのshimodaです。

「教養として文学作品を読んでおいたほうが良い」

誰でも一度は言われたことがあるのではないでしょうか。
「文学作品」と言われると、高尚な感じがしてカッコいいと思う反面、少し取っ付きにくいと言う意見も多く上がると思います。

日本の文学には「大衆文学」「純文学」という分け方があります。簡単に説明すると次のようになります。

・大衆文学・・・エンタメ性のある娯楽小説。話の内容に魅力を感じる。
・純文学・・・芸術性に重きを置いている小説。文体の美しさに魅了される。

私自身、本を読むことは好きなのですが、純文学と言われる作品には手を出したことがありませんでした。
そんな中見つけた本がこちらです!

芥川賞ぜんぶ読む

芥川賞は、純文学の新人に贈られる栄誉ある賞です。

本作では、歴代の芥川賞受賞作品がすべて紹介されています。数にして全180作品!

単なる思いつきで「芥川賞作品をぜんぶ読もう」と思った著者の菊池良さん。
それをWebメディアの編集者に伝えたところ、「面白い」と乗ってくれて連載が始まり、気づけば書籍化の企画が通り、刊行日まで決まったのだそう。

「もう逃げられない」と覚悟を決め、勤めていた会社を辞めてまで芥川賞に専念したのです。

今回は、そんな菊池さんが教えてくてた芥川賞にまつわるお話を、いくつかピックアップしてお伝えします!

芥川賞には「あるあるネタ」が存在する?

会話

あらゆる事柄には、多くの人が共通して納得するような話、いわゆる「あるあるネタ」ってありますよね。

受賞作が180作品と多い芥川賞にも、あるあるネタが存在します。
すべて読んでいる著者が言うのですから、間違いないと思います!

例外もありますが、時代・舞台設定については、大枠として次の3点が挙げられるとのこと。

(1)時代は現代もしくは近現代である
(2)現実世界が舞台になっている
(3)主人公は作者と同じ国籍、民族的アイデンティティを有している
(2019年 宝島社 菊池良 『芥川賞ぜんぶ読む』 58Pより引用)

私が意外だなと感じたのは、(1)の時代に関してです。
勝手なイメージではありますが、時代劇などの明治以前の話が多いのかなと思っていました。

しかし、実際のところ、現代もしくは近現代以外が舞台の作品は、180ある中でたったの3作品だけなのです。

だとすれば、私たちが生きている時代とそう変わらない世界での話ばかりですから、取っ付きにくさは感じさせないと思います。

また、作品内容に関してのはっきりとした傾向はないものの、似通ったテーマのものはいくつかあるそうです。

その中の一つが「若者の享楽」系です。
それぞれの時代の若者の生き方を描いたものも少なくないということです。

作品例を上げると、伊藤たかみ『8月の路上に捨てる』や羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』などがあります。
私たち20代と同じ世代の人が主人公となれば、読みやすいのではないでしょうか。

芥川賞で戦後の歴史がわかる!?

歴史

芥川賞が始まったのは1935年であり、80年以上前から続いています。
受賞作品には、その時々の時代を反映したものが多いため、自ずと近現代の社会状況を俯瞰できるのです。

歴史の教科書と比べられるものではありませんが、時代ごとの空気感を知るには十分だと思います。
それでは、いくつか紹介していきます。

まず、郷静子の『れくいえむ』では、戦中の女学生の心の中を描いています。
さらに林京子の『祭りの場』では、長崎への原爆投下当日とその後の状況を描写しています。
どちらも第二次世界大戦中の話です。

1960年代になると学生運動がさかんになり、三田誠広の『僕って何』は、上京した大学生がたまたま学内の運動に参加するようになる物語です。

さらに今の時代に近くなると、生活の便利さを象徴する村田沙耶香の『コンビニ人間』、情報社会の発達とその危うさを描いた大岡玲の『表層世界』という作品があります。

作品が書かれた当時の状況を考えながら読むと、今の日本がどのように成り立ってきたのかを知ることになり、知識の幅も広がることでしょう。

まとめ:まずは『芥川賞ぜんぶ読む』から気になる作品を探してみては?

本を読む

いかがでしたでしょうか。
具体的に受賞作品もいくつか散りばめて紹介してきました。

純文学作品というと、一見敷居が高く、なかなか踏み込むことができない世界のように思われるかもしれません。

でも、実際はそんなこともなく、それぞれの時代についてであったり、同世代の主人公が出てきたりと身近なことがテーマになっている作品も多く存在しています。

まずは『芥川賞ぜんぶ読む』に書かれた紹介文を見て、気になった本から読んでみてもいいのではないでしょうか。

作品を読み、それぞれの時代背景を知識として持っていることは、人生においてプラスになること間違いなしです!

例えば、世代の異なる目上の人と話をする時、話題の引き出しが増えることで、コミュニケーションが円滑に進むようになります。
当然、話が弾めば、新たな人を紹介してもらえる機会も増えることでしょう。

本記事を読んで、純文学という世界に少しでも興味を持っていただければ幸いです!

shimoda

5,776 views

職業:エンジニア。 日々、電子回路と格闘中。 音楽ライブ、映画鑑賞、読書、恐竜が好き。 気になったらとりあえずやってみる。 広く、浅く、ときどき深く。 新し...

プロフィール

ピックアップ記事

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。