『AI vs 教科書が読めない子どもたち』に学ぶ、AI時代に必要な能力とは?

AIのこと、ちゃんと理解してますか?
こんにちは、ライターのはまじんがーです。
近年、目覚ましい発展を遂げている「AI(人工知能)」ですが、みなさんは以下のように思ったことはありませんか?
・AIが普及すると、どうなるの?
・私たちの仕事は、奪われてしまうの?
・AI時代を生き抜くには、どうすればいいの?
巷ではAIに関する情報が溢れており、何が嘘で何が本当なのかわからず途方に暮れている人は多いのではないかと思います。
「AIが神になる」
「AIが人類を滅ぼす」
「シンギュラリティ(AIの能力が人類を超えること)が到来する」
などと言われることもあるほどで、AIを話題にするときの論調はどこか大げさなものが多く、場合によってはただの煽りに聞こえてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、AIが私たちの生活に普及していくことは紛れもない事実である以上、その影響を正確に理解をしておくことは世の中をうまく生きていくために欠かせないことです。
AI時代の指南書『AI vs 教科書が読めない子どもたち』
結局、AIによって世の中はどうなるのか。
その疑問に一つの答えを提示しているのがこちらの一冊、『AI vs 教科書が読めない子供たち』です。
・AIが普及する未来に不安を抱いている人
・AIによって結局世の中はどうなるのかよくわからない人
・AI時代にどんな能力が必要になるかを知りたい人
このような方々に、ぜひ手にとっていただきたいです。
著者は、数学者の新井紀子さん
本書の著者は、数学者として国立情報学研究所の教授を務めている新井紀子さんです。
「東ロボくん」プロジェクトやリーディングスキルテストを主導された方であり、本書ではそれらの取り組みから明らかになった、AI時代の到来が社会へもたらす影響について語られています。
それでは、次章より本書の内容を紹介していきます。
AIは東大に合格できるのか?
AIに仕事を奪われないようにするために必要な能力を明らかにする目的で、2011年に「東ロボくん」プロジェクトがスタートしました。これは、ロボットが東大合格にチャレンジするというものです。
結果、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)レベルの大学に合格する能力を得るまでになりました。
しかし、「東ロボくん」は東大合格には至りませんでした。
東大合格が実現しなかった理由は、東大の問題が記述式だからだと言われています。
機械的な処理しかできないAIでは、文章の「意味」を正確に理解した上で解答する必要がある記述式の問題に太刀打ちできないのです(逆に、私大入試に見られるような選択式の問題であれば、過去問のビッグデータ等を用いることによってある程度の正答率で解答が可能です)。
つまり、言葉の「意味」を理解する力、つまり「読解力」がAIにはないということです。
日本人の読解力は?
AIには読解力がないことが「東ロボくん」プロジェクトで明らかになりました。
では、今の日本人にどれだけの読解力があるのでしょうか。
それを調査するために、リーディングスキルテスト(RST)が実施されました。
その結果、読解力のないAIと同じように、多くの日本人に読解力がないことが明らかになりました。
例えば4択問題の場合、当てずっぽうで回答しても1/4(25%)は正答できる計算となるわけですが、テストで出題された多くの問題において、その正答率が当てずっぽうで回答したのとほぼ変わらない結果となっていたのです。
何も考えずに解答したのと正答率が変わらないわけですから、文章の意味を全く理解できていないのと同じというわけです。
「東ロボくん」プロジェクトで示されたように、AIはMARCHに合格する程度の能力は備えています。
つまり、AIと同じく読解力がなく、AIと同程度の能力しか持ち得ない人はAIに仕事を奪われる可能性があるのです。
確かに、従来の仕事をAIが引き受けるようになったことで、新たな産業が創造される可能性はあります。
しかし、AIと同程度の能力しか持ち得ない人は、新たな産業にも必要とされないと思います。
なぜなら、AIにできないことができないからです。
その結果、労働市場では人手不足が起きているのに世間では失業者が溢れる、という事態が発生することになります。
AI時代に求められる生き方とは?
では、AIに多くの仕事を代替された世の中で私たちはどう生きればいいのでしょうか。
AIにできない仕事をできるようになるしかありません。
例えば、生活の中で不便に感じていることや困っていることを探し出し、それを解決するためのサービスをビジネスにすること。
世の中にあるニーズをうまく掴み取ったり、それを言語化して人に伝えていく作業は、「意味」を考えられないAIにはできないことです。
そうやってニーズを掴んで新たなビジネスを立ち上げ、未知の状況にうまく適応していくためには、状況を素早く的確に把握したり、馴染みのないドキュメントを素早く読んで理解することが必要です。
そこで求められるのが「読解力」となります。
AIに持ち得ない「読解力」を身につけることこそが、AI時代を生き抜くために必要なことなのです。
まとめ
以上、新井紀子さんの著書『AI vs 教科書が読めない子どもたち』を紹介いたしました。
AI時代を生き抜くためには「読解力」をいかにして身につけるかがカギとなります。
「読解力」を身につけるには、「文章を正確に読む」方法を学び、訓練をするしかないと思われます。
「文章を正確に読む」方法を学ぶ手段としては、現代文講師である出口汪先生のYouTubeチャンネルがたいへん有効です。
AIに代替されない力を身につけるために、ぜひ活用してみてください。
それでは、今回の記事は以上です。
お読みいただき、ありがとうございました!
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