『アウトプットのスイッチ』から学ぶアウトプットの高め方〜売れるを作る編~

売れるを作る方法とは
こんにちは!ライターのまゆみです。
前回の書籍『アウトプットのスイッチから学ぶ』ではアウトプットには2種類あることをお伝えしました。
前回の記事はこちら
『アウトプットのスイッチ』から学ぶアウトプットの高め方〜2種類のアウトプット編〜
1つ目は「品質」「価格」「デザイン」「パッケージ」「広告」と言った意識的なアウトプット。
2つ目は、発信する人や会社が内包(ないほう)している無意識のアウトプット。
ここまでは簡単にいうと、「どんな人に購入して欲しいか」「商品を通して何を伝えたいか」など、商品の背景や思いを形作る作業でした。
次に、商品のアウトプットをより精度の高いものにブラッシュアップしていく必要があります。
精度の高いアウトプットとは
実は商品を企画する上で、陥りやすい落とし穴があります。みなさん何だと思いますか?
それは「作り手が、どんな商品なのか本質を理解していないこと」です。
商品について熟知しているはずなのに、商品と距離が近すぎるが故に本質が見えなくなってしまうのです。
商品の長所を聞かれたら答えられるけど、それが本当に商品の本質を突いた答えになっているのか?
「”売れる”を作るには、原点に立ち戻り、商品を素の状態で見つめてみること。その上で本質から最大の長所を引き出すこと。この原則を、忘れてはならない。」と水野さんは言います。
アウトプットが本質を突いていなければ、精度の高いアウトプットは出来ません。
なぜなら、精度を上げる一番初めの段階だからです。
水野さん流 精度の高いアウトプット
第一段階:本質を見極める方法「〜っぽい分類」
第二段階:その商品の目指すべき方向性を見つける
第三段階:アウトプットの質を高める
私はこの方法を知った時、モザイクが掛かった商品の実態を明らかにしていくイメージに近いのではないかと思いました。
こちらの三段階から、”売れる商品”を作るにはどうすれば良いのか詳しく見ていきましょう。
第一段階:本質を見極める方法「〜っぽい分類」
この方法は商品らしさを突き詰める方法です。
本質を突くアウトプットは、まず長所探しから始めます。その商品の一番いい部分を抽出する作業です。項目は次の3つです。
①ウォーミングアップ 「ポジティブな言葉」で商品を表現してみる
②すでにあるもので分類すると「何っぽい」のか
③シズル感を上手に表現する
①ウォーミングアップ 「ポジティブな言葉」で商品を表現してみる
商品をポジティブな言葉で分類します。(格好いい、優しい、可愛いなど・・・)思いつくポジティブな言葉の中から、その商品に当てはまる言葉を見つけ出します。
②すでにあるもので分類すると「何っぽい」のか
「色だったら何色っぽい」「動物だったら何っぽい」「国だったらどこの国っぽい」「人だと誰っぽいのか」と言った様々なシチュエーションで分類します。
ここで気を付ける点は、理屈で考えないことです。(例えば「靴下は寒いエリアで必要だから北極っぽい」など)
理屈で考えると本質から離れていってしまう可能性があるからです。
尚且つこの作業は感覚的な部分になるのでなるべく短時間で、自由にイメージをすることがポイントです。
ようやく商品の全体像が見えて来ました!
③シズル感を上手に表現する
①②ができたら次はシズル表現を考えます。
こちらは商品名やパッケージデザインなどに関係してきます。
シズルというのは元々、英語でお肉がじゅうじゅう焼ける様を指す言葉です。
広告業界では料理を撮影する際に、湯気や水滴などを美味しそうに見せる工夫で「シズル表現」と呼ぶようになりました。
水野さんは、もっと広い意味で「そのものが欲しくなること」は、全て”シズル”と言っていいと仰います。
①②で行った「〜っぽい分類」を元に商品らしさが感じられるシズルを、どう表現していくか考えましょう。
商品らしさが見えてきたところで、第二段階へ進みます!
第二段階:その商品の目指すべき方向性を見つける
世の中には同じものでも、機能性に富んでいたり、見た目の柄が充実していたり、様々なタイプの商品があります。
商品の本質をブレさせないためにも、どのような方向性で商品を販売するのかを決める必要があります。
ここでは第1回でお伝えした、「無意識のアウトプット」が影響してきます。
会社のブランドが掲げている理念などあれば、一度立ち戻ってみるのもいいでしょう。
「安さで売るのか?ファッショナブルさで売るのか?」
ブランドの理念と商品の持つ本質的な魅力を合わせると、目指す方向性が見えてきます。
次は最後の第三段階へ進みます!
第三段階:アウトプットの質を高める
商品の本質を実際に形として表現していきます。
どんな素材、デザインで作り込んでいくのか。タグ表記やロゴなどはどういうデザインにしていくのか。そして商品らしさを”こだわり”としてどう表すのか。
こだわりとして表すとはどういう事か、水野さんの手掛けた靴下でご説明します。
奈良県にある中川政七商店さんの靴下ブランド「2&9(ニトキュー)」。
このブランドはご紹介してきたアウトプットの方法を水野さんが実践して作り上げたブランドです。
水野さんは靴下を、第一段階の②「〜っぽい分類」で靴下の本質は”誠実で真面目”な存在であると答えを出しました。
これにより、”誠実で真面目”という分類を、靴下の履き心地(機能性)にこだわることで表現したのです。
その後の売上も好調となれば、妥協せず納得いくまで試行錯誤して作り上げてきた努力が報われますよね。
中川政七商店公式サイトはこちら
これまでのアウトプットや演出するシズル表現にブレがなければ、迷うことなく商品作製に臨むことが出来ます。
取り扱う商品ごとに何が”こだわり”となるかは異なるため、是非考えてみてください!
お客様に向けて商品をプレゼンする際も、より商品の良さが伝わりやすいでしょう。
業界や企業の常識に縛られない
少しここで、アウトプットのジレンマをお話します。
アウトプットというのは、情報の整理がしっかりできていないと、内容が曖昧になります。
曖昧になることを避けるため、商品について熟知して整理をするのですが、それによりまたアウトプットが本質からずれていく場合があります。
そのジレンマをなくすために、アウトプットの”タガ”を外すことが大切です。
こちらの書籍では以下の内容が紹介されていました。
①業界内の常識に縛られない
マーケットを争うのは同業他社だけではありません。
動物園の競合がDVD(野生動物のドキュメンタリーがあるため)であるように、関係ないような企業を視野に入れなければなりません。
「他の業界と比べて、本当にこれは優れているのか?」という意識を常に持ちましょう。
②企業内の常識に縛られない
社内で共通認識で持っているブランドイメージが、社外で同じ捉え方をされるとは限りません。物事を引いてみて、視野を外に向けることが大切です。
③自分の経験値にだけ縛られない
例えばファストフードでしか外食をしたことない人が「〇〇(某有名店)ってちゃんとしてるよね」と言っても、他人からすればそう思わない人もいますよね。
反対に一つの業務に没頭しているような人は経験値は豊富です。
しかしその経験値が時には自由な発想を邪魔してしまいます。経験が豊かでも浅くても自分の経験値にタガにハマってしまうのです。
本質を見極める「〜っぽい分類」は、アウトプットの”タガ”を外すために効果的です。
分類していくことで、より共通認識に近づけることが出来ます。
本質のズレをなくすためにも、今回お伝えしたアウトプットの精度を高める3つの方法を行いましょう!
次回、第3回は「アウトプットの精度を高めるプロセス」についてお伝えします。
(※6月中旬更新予定)
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