学ぶとはどういうこと?がわかる映画『きっと、うまくいく』

何のために学んでますか?
突然ですが、皆さんは何のために学んでいますか?
仕事で結果を出すため、人生をより良くするため、役立つ知識を得るため、など様々あるかと思います。
私も今後の人生で役立つ知識を得たいと思って、読書や映画などから学んでいます。
しかし、この学ぶ理由に囚われすぎると、メンタル的にかなりキツく感じることも多いと感じます。
例えば、
- モチベーションにばらつきがあり、続かない
- 強迫観念に圧迫されて意欲が低下する
- 楽しいと感じることができない
など。
自ら学び、優秀な成績を修め、成功すること。
これは一般的に良いことであると言われ、手に入れようと目指す方が多いですが、果たして世の中の人々全員に当てはまる良いことなのでしょうか。
そう思うきっかけを与えた映画が、インド映画渾身の大ヒット作品『きっと、うまくいく』です。
きっと、うまくいく(字幕版)
日の出の勢いで躍進するインドの未来を担うエリート軍団を輩出する、超難関理系大学ICE。エンジニアを目指す天才が競い合うキャンパスで、型破りな自由人のランチョー、機械より動物好きなファルハーン、なんでも神頼みの苦学生ラジューの”三バカトリオ”が、鬼学長を激怒させ、珍騒動を巻き起こす。 …
本作を観て、何かを学ぶ上では、自分の気持ちに正直な選択をすることと、正しい努力を重ねることが大切であると感じました。
どうあがいても学ぶ意欲が湧かない!という方や、自分の視野が狭い!と感じる方にぜひ読んでいただければと思います。
あらすじ
加熱するインドの教育問題に一石を投じ、真に“今を生きる”ことを問いかける万国普遍のテーマを掲げています。
成績不振で自殺。インドの教育問題
2020年現在、インドでは工科大学が世界で活躍できる優秀な人材を排出しいたり、優秀な人材が育つための教育制度が整っていたりして、各国から注目を浴びています。
詳しくはこちら。
世界中の注目が集まる改革が進むインドの教育制度 – BizAiA! Asia -ビザイアアジア-
本作の舞台もインドの工科大学。
生まれてきた子供はその瞬間からエンジニアを目指すことを勧められ、工科大学に入ることができるように勉強をします。
特に貧困層の家族は、我が子がエンジニアになれば、インド特有のカースト制度を乗り越え高給を得ることができるので、大きな期待が寄せられます。
しかし、実際に入学するとかなりハードな競争社会となっていて、落第点を取ったりなかなか成績が上がらなかったりすれば、即刻処分が下されます。
家族の期待に応えなければならないプレッシャーや、本当はやりたいことがあるのに実現することが許されない現実に嫌気がさして自殺を図るシーンがありました。
この悲惨な物語は、映画の中の話に限らず現実でも起こっており、2015年にインドの工科大学生のうちの約2600人が、試験の成績不振を理由に自殺したというデータがあります。
詳しくはこちら。
インド工科大はカーストを乗り越えるパスポート 苛烈な競争、自殺相次ぐ:朝日新聞GLOBE+
日本の教育事情もどこか似ている?
2020年現在の日本は、インドのようなカースト制度はなく、就職先も比較的自由に決められます。
一方で、自由なはずなのに「良い大学に入り、良い企業に就職する」ことが是とされているところや、学歴第一主義なところ、個性を伸ばすのではなく答えを探させるような教育方法は、インドの教育事情と似ていると感じました。
日本では成績不振で自殺までとはいかずとも、就職先が見つからず自殺してしまうケースや、学校で学んだことが仕事で生かせずにうつ病に陥ってしまうケースなどが存在します。
このように、敷かれたレールの上を走るような学び方では、結果として不幸せになってしまうのではないでしょうか。
インドではないからと他人事にできることではなく、私たち日本人も同じことが言えると思います。
「成功」に囚われて学んでませんか?
作中で、ランチョーはこのような言葉を残しています。
成功を求めて勉強してはいけない。成功の背中を決して追うな。美徳に従えば成功は自ずとついてくるものだ。
目先の目標、成功だけを意識していたら、何事にも身が入らないという意味が含まれています。
「成功=幸せ、正しい」という価値観が多くの方々の中にあると思いますが、固定観念ではないでしょうか。
成功することは義務ではありません。
多くの方々が持つ価値観に影響を受けて「努力しなければならない」「学ばなければならない」と思わされているのではないかということに、彼の発言から気づかされました。
「〇〇しなければならない」というフレーズが固定観念丸出しですよね。
どんなに知識を得ることがいいこととわかっていても、「成功」に囚われて学んでいると結局成功できないのではないかと思いました。
では、どうすればいいのでしょうか。
ランチョーは次のような言葉も残しています。
なぜ自分が一番かわかるか?
工学が好きなんだ。情熱があるんだ。
工学を辞めて動物の写真家になれよ。才能を無駄にするべきじゃない。
もしプロの歌手の父親が子供にクリケット選手になるように説得していたら?
もしプロのクリケット選手の父親が子供に歌手になるよう説得していたら?
彼らはどうなっていたと思う?僕が言っていることが分かるか?
動物が好きなのになぜ機械と結婚するんだ。
どちらも本当は写真家になりたい友人ファルハーンとの会話の中で出てきたセリフです。
ランチョーは学校の規則や授業方針に従わずやりたい放題でしたが、いつも試験の結果は首席。
それは「成功」したくて勉強していたためではなく、ただ工学が好きで情熱があるから、誰よりも勉強できたためなのです。
実際に、オンライン講座受講サービスを配信するオンスク.jpの受講生に対して行ったアンケートでも、「勉強が好き」と回答する方々の勉強する理由は「自分のため」がほとんどで、逆に「勉強が嫌い」回答する方々の勉強する理由は「仕事のため」がほとんどという結果が出ているそうです。
アンケート結果発表 「勉強は好きですか?」について | オンスク.JP
ランチョーのように、周りの常識や意見に流されるのではなく、自分の気持ちに対して正直な選択をすることで、実りのある学びを得ることができるのではないかと思いました。
正直な選択、正しい努力をしよう!
経済的な不安、周りからの評価など、自分の気持ちに正直に生きることはかなり勇気がいることだと思います。
しかし、せっかく学ぶのであれば、自分の情熱が注げることを選択した方が実りがあるに違いない、と本作を観て感じました。
周りに流されず、自分の興味関心が湧くことを学びましょう!
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