映画『スーパーサイズ・ミー』から考える。20代からの肥満のリスク

若いころからの肥満はリスキー!?
みなさん、こんにちは!じゆです。
突然ですが、仕事が忙しく食事をとる時間を十分に確保できないとき、みなさんは何を食べていますか?
このような場合、ファストフードなど手軽に食べることができるものを選択することが多いのではないでしょうか。
ファストフードやジャンキーなものの摂りすぎは、肥満の原因になります。
そして肥満は生活習慣病の原因の1つであり、20代から肥満である方は生活習慣病になるリスクが高くなるといわれています。
ここで、2004年にアメリカで30日間マクドナルドを食べ続ける実験を記録した映画『スーパーサイズ・ミー』が公開されました。
高カロリー、高脂肪のものを食べ続けると、身体にどのような影響を及ぼすのか…
今回は、映画『スーパーサイズ・ミー』をもとに、20代の肥満について考えていきたいと思います。
映画『スーパーサイズ・ミー』あらすじ
ある10代の少女2人が肥満の原因はファストフードのマクドナルドにあると裁判で訴えたことをきっかけに、映画監督であるモーガン・スパーロックが自ら30日間マクドナルドを食べ続ける実験をしようと考えたことから始まります。
まず実験前に、モーガンは複数の医師や専門家の協力を得て、徹底的に身体検査を行いました。
その結果、健康体で標準的な体型であると診断を受けました。
- 飲み物を含め、全ての食品はマクドナルドで済ます
- 1日3食必ずマクドナルドを食べる
- マクドナルドのメニューは一通り食べる
- 店員からスーパーサイズを勧められた場合は断らず注文する
- 1日の歩数はアメリカ国民の平均値5000歩以下にする
そして、このように細かくルールを決めて、30日間マクドナルドを食べ続ける挑戦に挑んだのです。
マクドナルドを食べ続けて3日目には、気分不良を訴え嘔吐してしまいます。
その後も「胃の調子が悪い」「気持ち悪い」などと訴えることもありました。
実験を開始して18日目には、「目の後ろがズキズキする」「無気力で常にだるさを感じる」とモーガンは訴え、モーガンの妻も「疲れやすくなっている」と証言しています。
30日間マクドナルドを食べ続けた結果
医師や専門家からは、命の危険があると忠告を受けましたが、モーガンは30日間マクドナルドを食べ続けました。
その結果、
- 11kg体重増加し、脂肪肝の診断
- コレステロールは上昇し、体脂肪率も7%上昇
- 心臓病のリスクは2倍、心不全のリスクは3倍も増加
- 気分は冴えずに疲れやすい
- 情緒不安定
などの実験結果が得られたのです。
肥満が身体に及ぼす影響とは
映画『スーパーサイズ・ミー』では毎日マクドナルドを食べ続けたことで、体重は急激に増え、体調不良も自覚するようになり、医師や専門家から警告される場面もありました。
それでは、肥満になると身体にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
若い男性の肥満が糖尿病や心疾患のリスクをどのくらい増加させるのか、デンマークで22歳から33年間、つまり55歳まで追跡調査を行った論文があります。
追跡調査の結果、肥満の若い男性の約50%が55歳になるまでに糖尿病や心筋梗塞、脳卒中を発症、あるいは死亡していいました。
そして、肥満度を表す指標であるBMIが25以下(普通体型)の方に比べ、30以上(肥満体型)の方は、
- 糖尿病は8.2倍
- 高血圧は2.1倍
- 心筋梗塞は2.1倍
と発症のリスクが高まるという結果が得られたのです。
肥満の原因
肥満の主な原因は、食べ過ぎと運動不足です。
食生活の欧米化による脂質の摂りすぎ
昭和50年代、日本の食生活は米や魚、大豆、野菜を中心とした栄養バランスのとれた日本型食生活でした。
しかし欧米化が進むにつれ、食生活では米の消費量が減っていく一方で、畜産物や油脂の消費量が増加しました。つまり脂質を摂りすぎているのです。
例えば、ファストフードやインスタントは手軽に食べれるものの、高カロリー、高脂質であり、ビタミン、ミネラルは不足しています。
日本は3人に1人は運動不足
摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ると、脂肪が増えてしまい、体重増加につながります。
ちなみに、日本は3人に1人は運動不足といわれています。
また世界保健機関(WHO)は、運動不足は肥満の原因になるだけでなく、2型糖尿病や心血管疾患、癌、認知症などの危険性があるとの研究結果を発表しています。
太らないために
肥満にならないためには、食生活の見直しや運動する習慣を身につけることが大切です。
食生活を見直してみよう
脂質の摂りすぎている方は、ビタミン、ミネラルが不足しがちで、栄養バランスが悪くなっています。
ファストフードやジャンクフードなどを好んで食べている、食べる頻度が多いという方は、食べる回数や量を減らしたり、サラダメニューを追加したりするなど、少し工夫をしてみるだけでも肥満の予防につながります。
また極端に食事の量を減らすと、栄養不足となったり、リバウンドもしやすくなります。
食事の量を減らすなら、腹八分目にする、間食を控える程度にするとよいでしょう。
有酸素運動を取り入れよう
有酸素運動は脂肪を燃焼させます。また筋肉が増えることで、太りにくくもなります。
有酸素運動とは、酸素を使う運動のことで、ウォーキングやジョギングなどある程度の時間をかけて負荷をかけていきます。
ひと駅前で降りて歩いたり、掃除の回数を増やしたりなど生活習慣のなかに意識的に取り入れることで、負担なく続けられるでしょう。
体型を維持して、いつまでも健康でいよう
現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響により外出自粛が推奨されているため、運動不足となっている方は多いのではないでしょうか。
さらに最近ではデリバリーが充実しているため、自宅にいながらファミレスのメニューやファストフードなどを食べることができ、コロナ太りをしたという方は少なくないと思います。
映画『スーパーサイズ・ミー』で30日間マクドナルドを食べ続けたモーガンは、脂肪肝を改善させるのに8週間、もとの体重に戻るまでに14ヶ月かかりました。
短期間で太っても、もとの体重に戻すまでに長い時間がかかります。
また20代での肥満は、生活習慣病のリスクを高めるのです。
現在の食生活を見直したり、運動をしていない方は運動を取り入れるなどして、太り過ぎないよう意識していきましょう。
参考:五本木クリニック
National Library of Medicine National Center for Biotechnology Information
e-ヘルスネット
一般社団法人 日本生活習慣病予防協会
あなたのかかりつけ健康サイト サワイ健康推進課
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