• HOME
  • 記事
  • 勉強
  • 奨学金制度の課題とは?教育格差是正のために私たちができること

奨学金制度の課題とは?教育格差是正のために私たちができること

奨学金
勉強

 

問題だらけの奨学金?

こんにちは。ライターのはまじんがーです!

先日、アメリカの経済誌Forbesでこのような記事が公開されました。
内容としては、コロナで学生ローンの支払いが困難になった学生に対して、返済を免除する案を検討しているというものです。

実際のところ、コロナショックが起きる前からアメリカではローンの返済に苦しむ学生が多く存在しています。
アメリカの政府学生ローンの不履行率(延滞率)は、2007年には6.7%程度だったのが2016年には14%程度まで上がっており、延滞者はおよそ800万人、延滞額が1370億ドル(約15兆3000億円)とも言われています(本山勝寛氏の著書『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』より)。

そしてその状況は日本とて例外ではなく、奨学金の返済により生活が苦しくなっている学生が一定数存在する現状があります。
2017年に東洋経済が発表したこちらの記事によると、2015年度末時点で奨学金の延滞額総計は約880億円となっています。

もちろん、延滞は借りた本人の責任と言ってしまうこともできますが、そこに奨学金制度の問題が介在していることもまた事実です。
本来、奨学金は経済的に恵まれない学生でも高等教育を受ける機会を得られるようにするための制度ですが、それが余計に生活を圧迫するようになってしまっては本末転倒です。

そこで今回は、奨学金制度の課題とその解決のために私たちができることについて考察していきたいと思います。

奨学金の役割は教育格差をなくすこと

格差

まず、奨学金制度の本来の役割を確認しておきます。
奨学金制度の役割は、ズバリ「教育の機会均等」です。

「親の年収で子供の年収が決まる」とも言われているように、裕福な家庭に育った子供は高いレベルの教育を受けられて優秀な人材に成長できる一方、貧困家庭の子供は良質な教育を受けることができず、その結果将来の年収に開きが出てしまうといったことが起こり得ます。

実際、2015年にキャリコネニュースで「東大生の親は金持ち」について考察した記事も出ています。

このような、経済格差が教育格差に直結してしまう状況を是正するのが奨学金制度の本来の役割です。
逆に言うと、この制度に不備があると富裕層と貧困層の格差が固定化される社会につながってしまうというわけです。

「給付型奨学金」の拡充がカギ

奨学金

では、奨学金制度の課題について触れていきます。

日本の奨学金制度が抱える大きな課題は「貸与型奨学金の割合が大きすぎる」ことです。

奨学金には「貸与型」と「給付型」があり、前者は返済の必要がある奨学金、後者は返済の必要がない奨学金です。

つまり、「貸与型奨学金」は「借金」と同義なのです。
だから、冒頭で触れたように「奨学金の返済が家計を圧迫する」という状況が生まれてしまうわけですね。

そして日本では、貸与型奨学金と給付型奨学金の対象人数の割合はおよそ100:3程度と言われています(本山勝寛氏の著書『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』より)。
給付型奨学金の対象になれる割合が圧倒的に少なく、多くの学生が貸与型奨学金に頼らざるを得ない状況なのです。

2018年度より日本学生支援機構(JASSO)が給付型奨学金制度を新設するなど徐々に広がりを見せてはいますが、まだまだ対象者は少なく貸与型奨学金が圧倒的に多いのが実情です。

貸与型奨学金の割合が圧倒的に大きいのは、日本の財政状況が原因にあります。
ここ20年で経済成長がストップした日本の厳しい財政状況では、給付型奨学金を多くの人数に給付するだけの余裕がないというのが実情なのです。

だからこそ、国のみに頼るのではなく民間や個人も奨学金の問題に向き合って行かなければならないのです。
そこで次項では、この問題を解決するために私たちができることについて取り上げます。

私たちができること

やるべきこと

ここでは、本山勝寛氏の著書『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』を参考に、日本の教育格差をなくすために私たちができることを3つピックアップして紹介します。

1. 若者が選挙へ行く

1つ目は、若者自身が選挙へ行くことです。
国政選挙が行われるたびに投票率は話題になりますが、中でも若年層の投票率の低さは度々問題視されています。

よく言われていることですが若者の投票率が低く高齢者の投票率が高いと、政治家も高齢者向けの政策ばかりを優先するようになり、逆に若者向けの政策は後回しにされてしまうのです。

大学生や若者が選挙に行って政治に関わることで若年層の政治的プライオリティを上げれば、高等教育政策を充実させる方向に政治家も動くようになります。
実際にスウェーデンなどの北欧諸国は若年層の投票率が非常に高く、それによって高等教育政策も充実しています。

2. 個人が個人を支援できる仕組みを活用する

2つ目は、経済的に恵まれない学生を、国や団体ではなく個人が支援しようという提言です。
いわゆる「あしながおじさん」的な活動です。

それを実現する具体的な方法として本山氏が本書で取り上げているのが、「個人奨学金クラウドファンディング」です。

たとえば、将来の夢に向けて大学進学をしたいが親からの仕送りがもらえない学生が、自分の夢と大学での学習研究計画、普段の生活の様子などをインターネット上にアップし、それに共感した個人が授業料や生活費を支援するという仕組みです。

この方法には、以下の2点のようなメリットがあります。

・クラウドファンディングで複数名が応援すれば、一人当たりの支援額は少額で済む
・支援を受けた学生が、責任を果たすべく勉学に打ち込むようになる

インターネットを使ってより多くの個人と個人がつながれるようになった状況を、最大限活かしていきたいところですね。

3. 民間で「給付型奨学金」を実現する

前項で説明したように、財政状況で厳しい中で政府が「給付型奨学金」の割合を増やすことは非常に困難です。
であれば、民間が「給付型奨学金」の拡充を担うことが求められています。

たとえば、

・民間企業が自社のマーケティングにつながるような学生を探し出して給付型奨学金を支給する
・大学が卒業生や企業に寄付を募って、優秀な学生に給付する

といったような施策が考えられます。

民間の企業、財団、大学が給付型奨学金の拡充に努めることで多くの学生がその恩恵を受けられるようになりますし、拡充に努めた組織自体のブランディングにもつながるというメリットもあります。

社会問題に取り組む上では、このように「公」と「私」が補完し合うことが理想的な形と言えるでしょう。

教育は日本の重要課題

教育

以上、奨学金制度の課題とその解決策について考察してきました。

先日当メディアにアップしたこちらの記事の締めで記述したように、日本の国力が落ちている原因は教育にあると言われています。
その事実を真摯に受け止め、状況を改善するために、より多くの人が良質な学びを受けられる環境を整えることは今後の日本を考える上で重要な課題となります。

国民一人一人が教育について強く問題意識を持ち、少しでも望ましい状況を作り出すために各個人が行動を起こすことが求められています。

それでは、今回の記事は以上です。
お読みいただき、ありがとうございました!

はまじんがー

4,868 views

業界最大手大規模システムのアーキテクトに携わっています。趣味は読書、映画、野球観戦、広島育ちのカープファン。好きな音楽はAcid Black Cherry、...

プロフィール

ピックアップ記事

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。