IQOSなどの加熱式タバコは悪影響はない!は本当なのか

街なかでよく見かける加熱式タバコ
みなさん、こんにちは!じゆです。
昔と比べ、タバコを吸う方が減ってきているように思いますが、IQOSなどの加熱式タバコを吸っている方をよく見かけます。
加熱式タバコは、タバコより身体に影響がないイメージがありますが、本当にそうなのでしょうか?
20〜30代を中心に多い加熱式タバコ
厚生労働省の国民健康・栄養調査では、2008年〜2018年の10年間で喫煙者数は顕著に減少しています。
一方で加熱式タバコは、2015年頃から一般的に使用されるようになり、喫煙者の20代、30代ともに40%近くが加熱式タバコを吸っています。
今回は、加熱式タバコについて説明していきます。
タバコを吸い続けると…
タバコには4000種類以上の化学物質が含まれており、そのうち約250種類が有害物質です。
有害物質には、心拍数増加や血圧上昇など心臓に負担をかけるニコチンや一酸化炭素、発がん性のあるタールなども含まれています。
タバコというと肺がんや慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、呼吸器の病気をイメージする方が多いのではないでしょうか。しかし、タバコは肺だけでなく全身に影響を及ぼします。
そしてがんのリスクは、非喫煙者に比べて、肺がんだと4.8倍、咽頭がんだと5.5倍と高くなり、他の部位でも1.8〜5.4倍とリスクが高くなるのです。
吸っているタバコの量から発がんのリスクを調べよう
健康と喫煙の関係を示す指数であるブリンクマン指数は、1日の喫煙本数と喫煙年数で計算することができます。
ブリンクマン指数 = 1日の喫煙本数 × 喫煙年数
ブリンクマン指数が大きいほど、がんの発病率は高くなり、400以上で発がんのリスクが高くなるとされています。
そして、ブリンクマン指数1200を超える人は、非喫煙者と比べて6.4倍も肺がんになるリスクが高くなると言われています。
ブリンクマン指数は、喫煙本数が多く、喫煙年数が長ければ長いほど大きくなります。そのため、若者には関係ないように思います。しかしタバコに含まれるニコチンには依存性があるため、長年喫煙している方ほど、なかなか禁煙できなくなってしまうのです。
紙タバコと加熱式タバコ
紙タバコと加熱式タバコの違いについて説明していきたいと思います。
紙タバコとは
紙タバコとは、細かく刻んだタバコ葉を紙で細長く巻き上げたもので、私たちがよく知るメジャーなタバコです。
ニコチンやタールの量は銘柄によって異なります。
主流煙より副流煙にニコチンやタール、一酸化酸素が多く含まれているため、他の方が吸っているタバコの煙を吸い込んでしまう受動喫煙は、喫煙者と同じくらい病気のリスクがあります。
加熱式タバコとは
加熱式タバコは、タバコ葉を燃やすのではなく加熱することで蒸気を発生させることで、タバコ葉の香りや味を愉しむことができ、よく知られているのはIQOSです。
タバコ葉を加熱させるので、スモークレスなのが特徴です。
また、燃やすときに発生するタールの量が90%以上減るため、身体への悪影響を減らすことができると言われています。
加熱式タバコには、高温加熱式と低温加熱式の2種類があります。
高温加熱式は喫味やにおいが強く、低温加熱式は喫味が弱くなり、においも限りなく少なくなります。
加熱式タバコは身体に害はないのか?
スモークレスの加熱式タバコは、身体への悪影響を減らすことができるのでしょうか?
アメリカの研究グループがIQOSを使用して、主流煙と副流煙を分析したところ、主流煙、副流煙ともににニコチンやアセトアルデヒドなどの有害物質が検出されました。
なかには、発がん性のあるものや呼吸器疾患を引き起こすもの、そして毒性の強いものも含まれているのです。
そしてイタリアの研究グループは、IQOSなどの加熱式タバコ、電子タバコのJUUL、そして葉巻きタバコを使用して、それぞれが発生するサイズが異なる粒子状物質を屋内環境での濃度で分析比較しています。
その結果、エアロゾル中に検出された粒子状物質のサイズは主に超微粒子で、すべてのタバコで粒子状物質による空気の悪化が観察されました。
つまり加熱式タバコは煙は見えにくく、においも少ないため、身体に害を及ぼさないと思いがちですが、副流煙にも有害物質が含まれており、空気中へ排出されているのです。
そして、日本呼吸器学会もこのような見解を示しています。
1.非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用は、健康に悪影響がもたらされる可能性がある。
2.非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用者が呼出したエアロゾルは周囲に拡散するため、受動吸引による健康被害が生じる可能性がある。従来の燃焼式タバコと同様に、すべての飲食店やバーを含む公共の場所、公共交通機関での使用は認められない。
さいごに
加熱式タバコは煙がでないため、健康に害を及ぼすことはないというイメージがありました。
だから、加熱式タバコを使用している方が増えてきているのだと考えていました。
しかし、実際は有害物質の超微粒子が排出されています。
これを吸い込むことで、肺などの呼吸器の奥のほうまで入り込んでしまい、喘息などの呼吸器の病気にかかりやすくなってしまうのです。
長い間タバコを吸っている方のなかには、COPD増悪や肺炎を繰り返し何度も入院される方や、少し動くだけでも息切れや呼吸苦を自覚する方もいます。
さらに悪化すると酸素吸入だけでは足りず、気管内挿管をしなければいけない状態になったり、退院後も酸素吸入をしなければ生活に支障がでたりすることもあるのです。
若いからまだ大丈夫、ではありません。紙巻きタバコ、加熱式タバコどちらもニコチンが含まれているため、依存性があり、喫煙期間が長くなるほど禁煙が難しくなってしまうのです。
だからこそ、喫煙期間がまだ浅いうちに禁煙することをおすすめします。
もし禁煙がなかなか難しい場合は、タバコの本数を減らしたり、受動喫煙することがないよう非喫煙者の前では吸わないようマナーを守りましょう。
参考:国民健康・栄養調査
禁煙の日
日本医師会
ひとの時を、思う。JT
ACS Publications
MDPI
引用:日本呼吸器学会
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