生涯闘い続けた女性判事「RBG」の功績と、彼女を支えた夫の物語

ギンズバーグ
映画

アメリカで最も尊敬された女性「RGB」

こんにちは、ライターのはまじんがーです!

みなさんは、「RBG」をご存知ですか?
アメリカ最高裁で史上二人目の女性判事を務めた「ルース・ベイダー・ギンズバーグ」のことで、「アメリカ人が尊敬する女性ランキング」では必ず上位に名前が挙がるほど、アメリカでは多大な人気を誇っている方です。

特にリベラル派や女性、若者から絶大な指示を得ていたギンズバーグ氏ですが、先日2020年9月19日、膵臓がんによる合併症のために亡くなったと、米連邦最高裁判所から発表されました。87歳という年齢でした。

今回の記事ではギンズバーグの経歴や功績、そして彼女を支えた夫のマーティーについて取り上げます。

男女差別が色濃く存在していたアメリカ社会で多くの逆風に遭いながらも、自分の信念を貫き通したギンズバーグと彼女を支えたマーティーのストーリーに触れることで、

・男性が強い立場にある世の中に、生きづらさを感じている
・批判を恐れて、自分の考えを発信していくことができない
・「主夫」であることが周囲に受け入れられない

といった悩みを抱えている方々にとって、少しでも励みになったり行動を起こす勇気を得るきっかけなどになれば嬉しく思います。

弁護士として男女差別の裁判に携わる

ビリーブ

ルース・ベイダー・ギンズバーグは1933年にニューヨーク・ブルックリンで生まれました。
名門コーネル大学で学んだのち、1956年にはハーバード大学法科大学院に入学し、その後転学してコンロビア大学法科大学院を首席で卒業しました。

当時のアメリカ社会では男女差別が著しく、女性は仕事を選べず自分の名前でクレジットカードを作ることすら許されない時代でした。
ギンズバーグも、ロースクールを首席で卒業した実績があるにも関わらず「女性だから」という理由で弁護士事務所に採用されないという壁にぶつかることになります。

そうした自身の経験もあり、ギンズバーグは1970年代から女性やマイノリティの人権が争点となった多くの裁判に関わり始め、それがライフワークになっていきます。
彼女は人権や男女差別に関わる6つの歴史的な最高裁判決に弁護士として関わり、そのうち5つで勝訴しました。

彼女の活躍を取り上げた映画『ビリーブ 未来への大逆転』では母親の介護費用控除が認められない男性の弁護に挑んだ1970年代のギンズバーグが描かれています。

当時の法律では、「親の介護は女性の役目」だと決めつけられており、税控除を申請できるのは女性だけでした。
ギンズバーグはこの法律が憲法違反だと認めさせることができれば男女差別解消への第一歩になるはずだと信じ、法律を守ろうとする政府との戦いに挑んだのです。

女性として史上2人目のアメリカ最高裁判事

RBG

弁護士として男女差別の裁判に関わってきたギンズバーグは、1993年にビル・クリントン大統領に指名されて女性として史上2人目の最高裁判事となりました。

映画『RBG 最強の85才』では、軍事大学の女性排除、男女の賃金差別、投票法の撤廃といった問題に果敢に切り込んでいくギンズバーグの姿がドキュメンタリータッチで描かれており、彼女が「RBG」として若者の指示を得るポップカルチャーアイコンになった背景についても触れられています。

最高裁判事としての彼女の存在意義は、最高裁におけるリベラル派の力を堅持することにありました。
最高裁のバランスはやや保守派が優勢である(保守5:リベラル4)ため、もしリベラルの勢力が減ってしまうとアメリカ社会の価値観に関わる多くの問題(人工中絶、宗教、死刑、移民、大統領の権限など)の最高裁判決が、保守の好む方にシフトしていく可能性が相当に高まります。

社会の価値観がリベラルな方向にシフトしていく最中にあって、最高裁が社会のトレンドに反して保守化していけば、どこかの段階でその歪みが問題になってくる可能性があるのです。

そんな自分の立場の重要性をギンズバーグは理解していたからこそ、2018年11月に転倒して肋骨を3本折ったにも関わらず、怪我から早々に回復して1日も欠勤することなく最高裁の任務に戻ったのです。

ギンズバーグを支えた夫マーティーの存在

マーティー

ここまでギンズバーグの経歴を辿ってきましたが、彼女の功績を語る上で夫であるマーティーの存在も欠かせません。
当時の男性としては非常に珍しく、マーティーは妻のギンズバーグを献身的にサポートする夫でした。

マーティーはハーバード大学院修了後、ニューヨークで屈指の税法専門家となり、コロンビア大学でも終身の教授職を得るなど順調なキャリアを築いていましたが、それらの地位を妻のキャリアを支えるために捨てたのです。

料理が苦手な彼女のために一手に料理を引き受けたり、極端なワーカホリックで放っておいたら寝食も忘れて仕事をする彼女に「ご飯を食べる時間だよ」「もう寝る時間だよ」と言う役目を担ったり、他の最高裁判事の妻との付き合いを積極的に行ったりと、マーティーはあらゆる面で献身的に妻をサポートしました。

最高裁判事指名の際の公聴会の場で、ギンズバーグは

「私の夫は出会った18歳の時からずっと、『女性の仕事は、それが外でする仕事であれ家の中の仕事であれ、男性の仕事と同じくらい重要なものである』と信じてくれる男性でした。このような類まれパートナーに恵まれていなければ、私が今この部屋にいることは絶対になかったでしょう」

と述べました。

まだ男女差別が色濃く存在していた時代に、真に対等で互いを尊重しあい成長を支え合う関係性を築いた二人のストーリーは、現代の私たちにとっても響くものがあるのではないでしょうか。

多様性を受け入れる社会に

ギンズバーグ

以上、ギンズバーグの経歴や功績、そして夫のマーティーについて紹介してきました。

彼女の功績はアメリカでのものですが、日本に生きる私たちにとっても非常に感銘を受ける部分があるはずです。

日本でも一昔前に比べれば男女差別は見られなくなってきたかもしれませんが、数年前に東京医大で女性受験生の得点が改ざんされた事例があったように完全に取り除かれたと言い切ることはできません。

あるいは、マーティーがやったような「夫が妻の仕事をサポートする」という行為に対する偏見もまだ少なからずあるのではないでしょうか。

偏見をなくし多様な価値観を受け入れることが、多くの人にとって生きやすい世の中を作るのに必要なことだと思います。
まずは自分自身が多様性を受け入れるのはもちろんのこと、もし身の回りに偏見が見られたときは、それをなくすために一人でも多くの人が行動を起こせるようになっていけたら良いですね。

ギンズバーグについてもっと深く知りたい方は、文中で紹介した映画二作品をぜひご覧になってみてくださいね!

『ビリーブ 未来への大逆転』:女性の権利のために戦う彼女の姿と、その苦悩をドラマチックに描く作品
『RBG 最強の85才』:彼女の活躍および「RBG」が誕生した背景をドキュメンタリー風に描いた作品

それでは、今回の記事は以上です。
お読みいただき、ありがとうございました!

はまじんがー

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業界最大手大規模システムのアーキテクトに携わっています。趣味は読書、映画、野球観戦、広島育ちのカープファン。好きな音楽はAcid Black Cherry、...

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