LBGTから考えた!マイノリティとの接し方

こんにちは!コタローです!
突然ですが、皆さんは自分と性格や特徴が異なる人と接するとき、自身の感情や行動がどんな反応を起こしているか、考えたことはありますでしょうか?
「いつもどんなときも考えている!」と言える人は、多くないと思います。
当然ながら、私も常に考えてはおりません。
しかし、ある小説を読んだとき、それを強く意識させられました。
それは、綿矢りささんの『生のみ生のままで』という作品です。
この本は、女性同士の恋愛を描いた小説です。
本書を読みながら、「LGBT」というキーワードが頭に浮かびました。
単語は徐々に世間に浸透しつつありますが、当事者たちがどのような生活を送っているのかと、その実態を知りたくなりました。そして、実際にその人たちと出会ったときに、どのように接するとよいのか考えました。
昨年は「ブラックライブズマター運動」が世界中で大きな注目を集めたように、人種や境遇、マイノリティに対する無理解や偏見による差別がいまだに起きています。
自分と異なる性質、境遇を持つ人とどのように向き合ったらよいのか。
皆さんにとっても、それを考えるヒントになったらと思います。
完全に理解することはできなくても、理解しようとする態度を持つことが大切です。
1.LGBTってなんだろう?
2.LGBTの歴史
3.”アライ”であろう!!
4.まとめ
5.参考文献
1.LGBTってなんだろう?
まず、LGBTとは誰なのか。それぞれのアルファベットが何を表しているか。
そこからお話します。
(引用:LGBTQってなに?―セクシュアル・マイノリティのためのハンドブック― | ケリー ヒューゲル, 上田 勢子 |本 | 通販 | Amazon)
L(レズビアン)⇒心の性が女性で恋愛対象が女性である人
(語源は、ギリシャの詩人で作曲家だったサッフォー(紀元前約625~同570)が若い女性だけが入れる学校を作った「レスボス島」から)
G(ゲイ)⇒心の性が男性で恋愛対象が男性である人
(語源は、フランス語の「gaie」という単語。1500年代のフランスにおいて同性愛者を表す言葉として使われていた)
B(バイセクシュアル)⇒男性、女性共に恋愛対象となる両性愛者
(語源は、2を意味する「bi」と性別を意味する「sex」の造語)
T(トランスジェンダー)⇒身体の性と心の性が異なる人
(語源は、ラテン語で「乗り越える」や「逆側に行く」を意味するトランスと「性」を意味するジェンダーの造語)
※上記の4つ以外にも、自分の性的指向に確信が持てない、または決めることに不安を感じている人を意味する「Q(クエッショニング)」を加えた「LGBTQ」という表現をすることも増えています。
電通ダイバーシティ・ラボが行った『LGBT調査2018』によると、日本でLGBTに該当する人は、全人口の中で8.9%。11人に1人の割合で存在しているのです。
電通ダイバーシティ・ラボ – 電通ダイバーシティ・ラボ (dentsu-diversity.jp)
私は中学生のとき、1クラスが35人でしたので、単純に考えれば、1クラスに3人はLGBTに該当する人がいたことになります。そう考えると、決して珍しい存在ではないと感じます。
2.LGBTの歴史
冒頭で、LGBTという単語が浸透してきている印象がある、と書きました。
実際に、『LGBT調査2018』でも、「LGBT」という言葉は68.5%の人々に浸透している、というデータが示されています。
(参考:電通ダイバーシティ・ラボが「LGBT調査2018」を実施 | )
しかし、裏を返せば、年々理解が進んできているにもかかわらず、LGBTの人たちの存在は身近になっている、と感じている人は多くはないのではないでしょうか。
宝塚大学看護学部の教授である日高庸晴氏が行った「LGBT当事者の意識調査―いじめ・職場環境問題―」(2016年7月15日~10月31日実施)によると、職場や学校でカミングアウトをした当事者の割合は、27.6%でした(調査対象者は15,064人)。
なぜカミングアウトする人はまだ少数派なのでしょうか。
その背景には、差別があります。
前出と同じ調査において、71.7%の当事者が差別的な発言を聞いた、というデータも示されているのです。
では、そもそもLGBTの人たちの存在はいつから明るみになっていたのでしょうか。また、どのような境遇に置かれていたのでしょうか。
結論から言いますと、
「紀元前から、人間の文明のあるところには必ず、LGBTの人々がその文明の一部を担って」いました
古代ギリシャでは、哲学者のソクラテス(紀元前約469~399)とその弟子のプラトン(紀元前427~347)がゲイであったことが知られています。
戦争の天才といわれたアレクサンドロス(アレキサンダー)大王(紀元前356~323)はバイセクシュアルでした。
古代中国では、漢王朝最後の皇帝である哀帝(紀元前27~1)は女性に関心がなく、少年と恋に落ちたと記録が残っています。
しかし、当事者たちの存在は受け入れられたわけではなく、強烈な拒絶反応に晒されていました。
1600年代のアメリカでは、ゲイの男性二人が裁判にて有罪となり、公開鞭打ちの刑に処されたり、レズビアンの女性たちは公開懺悔を強制された事例が残っています。
アイルランドの詩人で劇作家のオスカーワイルドは、男性と情事を重ねていたことを告発され、刑事犯として起訴されました。1885年の刑法では、「同性愛は違法である」とハッキリ記されていました。
現代でも、LGBTをカミングアウトしたことで、教育実習を受け入れてもらえなかった、就活の面接をその場で打ち切られたりと、まだまだ偏見や理解の不十分さを感じさせる事例が起きています。
3.“アライ”であろう!!
LGBTの人たちは、自尊感情が低くなったり、いじめられることで学校の成績が下がる、自傷行為がそうでない人たちと比べて大きく増える、といった傾向があります。
では、実際にLGBTの人たちと出会い、接するとき、どんな姿勢であればいいのでしょうか。
LGBTの世界で、「アライ」という言葉があります。
アライ(ally)とは、「仲間」を意味する英単語で、LGBTではないけれどLGBTの人たちの活動を支持し、支援している人を意味します。
(近年では、LGBTに限らず障がい者や外国人といったマイノリティに対しても支援を表明しようと、アライという言葉を使う動きが広まっています)
具体的な行動としては、
・異性愛者しかいない、という固定観念を捨てる
・性、恋愛、家族の多様性について受容する態度をもつ
・相談しやすい雰囲気を作る
・相談されたときには、しっかり話を聴き、共に考える姿勢を示す
などがあります。
(参考:改訂新版 LGBTってなんだろう?: 自認する性・からだの性・好きになる性・表現する性 | 実芳, 藥師, 千奈未, 笹原, 達也, 古堂, 奈津己, 小川 |本 | 通販 | Amazon)
マイノリティに対して、大多数の人と違うから異常な人とみなしたり、一方的な決めつけや偏見を押し付けることは、決してあってはいけません。
4.まとめ
いかがだったでしょうか?
今回の記事が、LGBTへの理解を深めるのに役に立ったならば幸いです。
最後に、私たちがアライとして大切にしたい、一番伝えたいメッセージがあります。
それは、「LGBTの人たちがその人らしくいられるような寄り添い」です。
セクシュアリティに関わらず、その人の個性や趣味嗜好、性格に合わせて接することが重要です。
この姿勢って、あらゆる人間関係においても当てはまることではないでしょうか?
境遇を超えた心地よい交友関係の築くために、「その人らしさ」を尊重し合っていきたいですね。
5.参考文献
ジェローム・ポーレン著/北丸雄二翻訳(2019)『LGBTヒストリーブック 絶対に諦めなかった人々の100年の闘い』サウザンブックス社
薬師実芳、笹原千奈未他(2019)『改訂新版 LGBTってなんだろう?-自認する性・からだの性・好きになる性・表現する性』合同出版
(一社)LGBT理解増進会著(2018)『そうだったのかLGBT 歴史的な第一歩をともに踏み出そう』EPIC
ケリー・ヒューゲル著/上田勢子訳(2011)『LGBTQってなに?-セクシュアル・マイノリティのためのハンドブック』明石書店
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