リッツ・カールトンが示す普遍のホスピタリティ

こんにちは!コタローです!
社会人になると、職場の先輩や後輩はもちろん、取引先といった大多数の方々と接することになります。
そんなとき、相手に自分の良い印象を与え、良好な交友関係、信頼関係を築いていきたいものです。
でも、どう振舞ったらいいのだろう。そうした悩みは付きものです。それは出会う人が増えれば増えるほど悩みは深まっていきます。
そんなとき、「ホスピタリティ」が役に立ちます。
ホスピタリティには、思いやりや親切心、心からのおもてなしという意味があります。
また、日本ホスピタリティ推進協会は「ホスピタリティとは接客・接遇の場面だけで発揮されるものではなく、人と人、人とモノ、人と社会、人と自然などの関わりにおいて具現化されるものである」と説明しています。
人々が集まるあらゆるなシチュエーション(学校、職場、仕事先etc)で、ホスピタリティは求められます。
では、どうしたらホスピタリティを発揮した行動が取れるようになるのか?
参考にしたのは、『リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間』です。
世界最高峰のサービスを誇る「ザ・リッツ・カールトン・ホテル」が大切にするホスピタリティの極意、それが生み出す効果を紹介します!
目次
1.リッツ・カールトンとは?
2.感動を生み出す「クレド」
3.ホスピタリティを体現する姿勢・価値観
4.まとめ
1.リッツ・カールトンとは?
世界中に70軒以上のラグジュアリーホテルを有し、各種メディアの「世界のベストホテル」という特集には必ず上位にランクインする、世界中のセレブリティから支持されている超高級ホテルグループです。
「ホテル王」の異名をもつセザール・リッツいうホテリエ(ホテルマン)が、1898年にパリに建てたホテルリッツと、ロンドンのカールトン・ホテルが一緒になってできたホテルカンパニーがはじまりです。
その後、アメリカに進出し、ニューヨークやボストン、ワシントンなどに展開しますが支持を得られず、ボストン以外のホテルは廃業となります。
1983年にアトランタの不動産王W・B・ジョンソンがリッツ・カールトン・ボストンを買い取り、彼がすでに建設を進めていた「モナーク・ホテル」とを融合させ、現在の「ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニー」が生まれます。
1994年、アメリカの巨大ホテルチェーンのマリオット インターナショナルの傘下となりました。これによりリッツ・カールトンは、財政面での強力なサポーターを得たことになり、それまで以上に早いペースで規模を拡大させていきます。
日本には1997年、大阪に第1号となるホテルが誕生。現在は東京、京都、沖縄、日光の5つがあります。
2.感動を生み出す「クレド」
クレドとは、リッツ・カールトンのスタッフたちの行動指針が記されているカードで、「リッツ・カールトンの理念や使命、サービス哲学を凝縮した不変の価値観」であると、著者は述べています。
以下に、クレドに記されている文章です。
「リッツ・カールトン・ホテルはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。
私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだそして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束します。
リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは、感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービスの心です」
ビジネスの枠を超えて、人が人と接するときに大切にしたいホスピタリティ(おもてなし)の精神を示したものだといえます。
3.ホスピタリティを体現する姿勢、価値観
冒頭でも述べたように、ホスピタリティには、思いやりや親切心、心からのおもてなしという意味があります。
それは、どちらか一方が相手に尽くすばかりの一方的なものではありません。互いに相手を思いやり、喜びを共有できる対等な関係性であることが大切です。
ホスピタリティが発揮されると、仕事のパフォーマンスも上がることが期待できます。
前出の日本ホスピタリティ推進協会は、「企業活動においては、顧客以外のステークホルダーである従業員や、地域社会に対してもホスピタリティを発揮することが大切で、それによって社員の働きがいを高め、社員同士がチームとして創造性を高めたり、地域社会との関係性を高めたりすることで好ましい経営環境をつくりあげること」ができる、と述べています。
①感性の共有
リッツ・カールトンの創立者・シュルツィはお客様と接するときには、「ドント・シンク、フィール(考えるな、感じろ)」の姿勢でいることを説きます。
五感を駆使して、お客様はどんな気分でいるのか、何を望んでいるのかを感じ取るのです。
例えば、リッツ・カールトンのドアマンは、つねに三方に感性のアンテナを張りながら視線を動かしています。
ロータリーで出入りする車の動き、歩いて来館・退館されるお客様の動き、そして正面玄関を通過するお客様やホテルスタッフの動きに気を配っています。
宿泊なのか、あるいはレストランを利用のお客様なのか。車ならば、どの会社の誰なのか。車のドアが開いてからではなく、車が見えた瞬間から記憶の糸をたぐり寄せます。また、業務が始まる前から今日の業務中に起こりうる出来事をシミュレートします。想像力を働かせて、判断力を磨けば、質の高いサービスを提供することができます。
感性を働かせることで、行動や仕草、その裏にある気持ちにも気を配ることができるようになります。
例えば、あなたが営業職であれば、クライエントと面談、あるいは電話をするときに、心情を想像し、その後に何をすれば相手を満足させられるかなど、先を見据えた行動がとれるようになります。
医療や介護に携わる人も、患者や介護者と接するときに、相手の言葉にならない本音を理解し、適切な支援を行うことができるようになります。
相手の「現在」を正確に理解すること、それを基により良い「未来」を形作る、提供する。感性は、とても重要な資質です。
②会社都合のシステムに囚われない
ルールを超えた部分でのサービス(対応)を取ることも必要です。
マニュアルに基づいた行動に囚われてしまうと、それを守ることに意識が向き、お客様を第一に考える姿勢が失われていってしまいます。
リッツ・カールトンでは、常連となったお客様にはホテル到着前にルームサービスの注文を受け付けたり、メニューにない朝食メニューを頼まれたときに臨機応変に対応します。
お客様に心のこもった対応をするためには、マニュアルに基づいた画一的な対応に留まるのではなく、信頼関係に応じて、一人ひとりに異なった対応をする姿勢を持ちましょう。
また、リッツ・カールトンは従業員に「エンパワーメント」(自分で判断し行動する権限)を与えています。システムで縛りつけず、お客様の特別なニーズや願望を叶えるための行動を後押ししています(もちろん、クレドやリッツカールトンの精神性を十分に理解した上です)。
お客様に今すぐ必要なサービスがあるのに、組織のルールやしがらみのせいで、それを逃してしまっては本末転倒です。
ルールを守るための行動ではなく、お客様の利益をすぐさま叶えられるような行動を後押しするルールや社風を作ること。
これができてこそ、お客様にとっても、働く人にとっても、理想的な環境となります。
4.まとめ
いかがだったでしょうか?リッツ・カールトンが大切にする精神、ホスピタリティは超一流のサービスを生み出す根幹でした。同時に、立場や環境を超えた普遍的なものでもありました。
ホスピタリティを発揮することで、相手にも喜んでもらえる。そのためには、感性を高めていくことが大切です。
相手の表情や何気ないしぐさを見逃さず、ニーズや気持ちを感じ取ること。
想像力を働かせて、相手が求めるものをすぐに提供できるように準備、シミュレーションを欠かさないこと。
自分優先になるのではなく、「相手に喜んでもらいたい」、という気持ちを持って行動する。相手が喜ぶ姿を見れたとき、自分にも喜びがもたらされます。
そのためには、向き合う相手一人ひとりの個性を区別して、それぞれの感性と共鳴しようとする姿勢を持ち続けていきましょう!
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