多くの日本人に「AI時代の必須スキル」が欠落している2つの理由とは?

キャリア

AI時代に必須な抽象化の能力

こんにちは、ライターのはまじんがーです。

今回のテーマは「AI時代の必須スキル」です。

結論から言うと、それは抽象化の能力です。

抽象化と具体化の重要性については前回の記事でも紹介しました。
今回は”抽象化”の方に焦点を当て、「AI時代の必須スキル」という観点でその重要性をお伝えします

前回の記事と併せて読むことで、抽象化と具体化に関してより一層理解が深まるかと思います。
まだお読みでない方は、ぜひそちらもご覧ください(どちらが先でも構いません)。

今回の記事を通して一人でも多くの方が抽象化の重要性を認識し、それを磨くことに舵を切ってくだされば幸いです

参考にしたのは、前回紹介した『具体と抽象』の続編といえる一冊『具体⇄抽象トレーニング』
著者は同じくビジネスコンサルタントの細谷功さんです。
本書の内容に基づいて、以下の目次でお届けします。

<目次>
・なぜ、AI時代に抽象化能力が必要なのか?
・日本人に抽象化能力が欠落している2つの理由

特に「日本人に抽象化能力が欠落している2つの理由」の2つ目では、抽象化について非常に重要な話をしておりますので、ぜひ最後までお読みいただければと思います。

それではいきましょう!

なぜ、抽象化能力がAI時代に必須なのか?

問題発見

AI時代に抽象化の能力が必須な理由、それはひと言で言うなら「問題発見に必要な能力」だからです。

これは「VUCAの時代に必要なのは問題解決力ではなく問題発見力」というテーマで以前執筆した記事の内容に関連します。

・問題が絶えず現れては消えるVUCAの時代では、問題を見極める問題発見力が重要
・問題が明確に定まりさえすれば、問題解決はAIがやってくれる

このような内容を以前の記事でお伝えしました。
そして上記で”重要”と言っている「問題発見」をするために必要な力が、抽象化の能力なのです。

問題発見とは、様々な具体的事象から本質的な課題を抽象化して抽出することを意味します。
これはまさしく抽象化のプロセスそのものであり、AIにはできないことです。

そのため、問題発見に必要となる抽象化の能力が、AIに”使われる側”にならないために必要なのです。

また、抽象化能力があればシンプルにビジネスマンとしての市場価値が高まります
前回の記事でいくつかメリットを挙げましたが、それに加えて以下のような効用もあるからです。

・常識にとらわれなくなる
・言語化する力が向上する
・物事を全体俯瞰できるようになる
・納得感のある説明ができるようになる
・一見関係のなさそうな事象同士につながりを見出すことができる

抽象化能力とは「個々の具体的な事象を構造化して捉える力」と言えます。
この能力が高いということは、言ってみれば「他人に見えないものが見える」力を持っているということなので、その能力が有効にはたらく場面は枚挙に暇がありません。

事象を構造化する力があれば、新たな問題に直面しても素早く状況を捉えて対策を打ち出すことができます。
また、全体を俯瞰する力があれば多くの人を率いていくリーダーになることもできるでしょう。

だからこそ、AI時代で市場価値を高めて活躍したいのであれば、抽象化能力を身につけることが必須となるのです。

日本人に抽象化能力が欠落している2つの理由

悩む

AI時代に必要な抽象化の能力ですが、実は日本人にはこの力が圧倒的に欠落しています。
ここでは、その2つの理由を紹介します。

理由1:知識偏重型の教育

1つ目の理由は、日本の教育です。
昨今の教育制度の見直しにより風向きは徐々に変わっているかもしれませんが、日本の教育は知識偏重型です。

日本社会の風潮としても、豊富な知識がある人を「頭が良い」と評することが多いですよね。
しかしながら、頭の良さには知識量の他にもう一つ軸が存在します
それは「思考力」であり、「思考力」とはすなわち抽象概念を操る力、つまり抽象化能力なのです。

そして、抽象化能力は知識量とは相関関係にありません
知識があるからといって、抽象化能力があるとは限らないということです。

知識と思考の関係について、著者の細谷さんは以下のように喩えています。

知識と思考の関係は、食べ物で言うところの食材と料理の関係と似ています。食材はあるに越したことはありませんが、直接的に料理の腕と食材の調達は関係なく、切り離して考えることは可能です。

知識を増やすことと思考力を磨くことは、切り離して考えられるものなのです。
それはつまり、知識偏重の教育を続ける限り日本人の抽象化能力は一向に向上しないことを意味します。

理由2:抽象化が苦手な人ほど抽象化の重要性に気づかない

2つ目の理由のほうが一層深刻です。
1つ目にも関連しますが、日本の教育で行われてきた知識偏重というのは、個別の具体的な知識を重視するという意味で、言ってみれば「具体の世界」に重きを置くことです。

そして、ここが最も重要なポイントです。
具体の世界しか見えない人は、抽象の世界が見えません。

たとえるなら抽象から具体の関係はマジックミラーのようなもので、抽象の世界にいる人には具体も見えますが、具体の世界にいる人には抽象が見えないのです。

抽象が見えないということは、抽象化という概念に気づくことすらないことを意味します。
つまり、具体の世界しか見えておらず抽象の視点が必要な人ほど、そのことを自覚できないのです。
自覚できなければ、そのことについて学ぼうという考えに至ることもありません。

「仕事ができない人ほど自分ではできると思っている」「頭が良くない人ほど自分は頭が良いと思っている」という、ダニング・クルーガー効果と呼ばれる法則があります。
具体の世界しか見えてない人は、この状態にあると言えます。

つまり、知識偏重の教育を続けることは、抽象化能力のない人間を際限なく生み出し続けるということです。
抽象化能力がAI時代の必須スキルであるなら、AI時代に生き残れない人がこれからも増えていってしまうことになります。

『具体⇄抽象トレーニング』で抽象化能力を磨こう

考える

以上、今回の記事では「AI時代の必須スキル」という切り口から抽象化能力の重要性についてお伝えしました。

前述したように、抽象化ができない人ほど抽象化の重要性に気づくことができません
そして、「抽象化」というテーマ自体が抽象的なものですから、その重要性を伝えることも非常に困難です

なので、この記事を読んだ方には抽象化の重要性が少しでも伝わっていたら嬉しく思います。
もしその重要性に気づけたなら、さらに抽象化能力を磨くために、ぜひ今回の参考書籍『具体⇄抽象トレーニング』をお読みになってみてください。

また、「抽象化についてもっと理解を深めたい」あるいは「この記事だけではよく分からなかった」という方は、ぜひ前回の記事や、前回紹介した書籍『具体と抽象』もお読みになってみてください。

AI時代で生き残っていく力を磨くために、抽象化について今後も学びを深めていただければと思います。

それでは、今回の記事は以上です。
お読みいただき、ありがとうございました!

はまじんがー

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業界最大手大規模システムのアーキテクトに携わっています。趣味は読書、映画、野球観戦、広島育ちのカープファン。好きな音楽はAcid Black Cherry、...

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