全ての問題は2つの行為で解決できる!世界一シンプルな論理思考の講義『わけるとつなぐ』

論理思考ができるようにならない理由
本記事を開いてくださり、ありがとうございます!
ライターのはまじんがーです。
今回のテーマは「論理思考」です。
いわゆるロジカルシンキングというやつですね。
みなさんは、論理思考に自信はありますか?
実は、社会人の8割以上が論理思考に自信がないという調査結果が出ています。
「”ちゃんと考えろ!”と上司や先輩に言われてしまう」
「物事を筋道立てて説明することができない」
「仕事に抜け漏れが多い」
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
論理思考を身につけるために、書籍などで学んだことのある方もいらっしゃるでしょう。
しかしながら、それで実際に論理思考力が身についた方は極わずかだと思われます。
なぜなら、それらは「論理思考ができない人」の視点で書かれていないからです。
書籍の内容そのものが難しかったりして、「論理思考を身につけたくて読んでるのに、理解するのに論理思考が必要」という本末転倒な状況になっているのです。
(痩せるためにジムに行こうとしてるのに痩せてる人じゃないと入会できない、みたいな感じです)
そのように、論理思考が苦手でいろんな書籍に手を出してきたけれどイマイチ理解できなかったという方のための一冊が、今回紹介する『わけるとつなぐ』です。
著者は、ビジネス数学教育者として学生・ビジネスパーソン・スポーツ選手などの思考力を高める活動をしている深沢真太郎さんという方です。
内容は、弱小サッカー部に所属する女子高生「アヤ」が、試合に勝つために論理思考を駆使するというストーリー。
物語形式のため楽しみながら読み進めることができ、また論理思考を実際にどう使えばいいのかを理解しやすいのも大きな特徴です。
そして何より、複雑に思われる論理思考という概念を「わける」と「つなぐ」というたった2つの行為で説明しているところが最大の特徴です。
今回の記事では「わける」と「つなぐ」をどのように使えばよいのかについて、書籍の内容を事例として紹介しながら解説していきたいと思います。
「数学が嫌いになった理由」を考える
最初に紹介する事例は、「数学が嫌いになった理由」です。
本書の主人公アヤは数学を苦手科目としており、その理由を「わける」と「つなぐ」を使って考えてみようというシーンが物語中に出てきます。
その理由を考えるにあたり、まず「数学の勉強」はどんな要素で成り立っているかを考えました。
作中で導き出されたのは以下のような分類です。
■数学の勉強
◎教科書(内容)
◎先生(環境)
数学の勉強は教科書と先生という2つの要素に分かれていることが分かりました。
このように物事の構成要素を分解する行為が「わける」です。
この分類を行ったところで、アヤは中1までは大丈夫だったが中2から数学が苦手になったことを思い出しました。
そして、中2のときの先生の教え方がよくわからなかったこと、自分と同じくらいの学力の他のクラスの子は苦手になっていなかったことも思い出します。
使っている教科書は同じで、違うのは先生、つまり自分が数学を苦手になったのは中2のときの先生が原因だという結論に至ります。
結論までの流れを整理すると、以下の通りです。
【なぜ数学が苦手になってしまったのか?】
「数学の勉強」を構成する要素は2つある
↓
教科書は同じでも、人によって苦手意識が生まれる
↓
おそらく、それは教えてもらった先生の違い
↓
ゆえに、中2のときの先生が原因
上記のように問題から結論までの道筋を矢印で結ぶこと、これが「つなぐ」です。
先生が原因であると分かったなら、これから数学の学力を伸ばすとしたら「どんな参考書を買うか」ではなく「誰の教えを受けるか」に焦点を絞って考えることが重要であることが分かります。
このように、「わける」と「つなぐ」だけで問題を筋道立てて考えられるのです。
「わける」と「つなぐ」で練習内容を考える
上記は非常に簡潔な例でしたが、もう一つ作中から「わける」と「つなぐ」を使った例を紹介します。
弱小サッカー部が試合に勝つための練習方法を導き出すまでの流れです。
練習内容を「わける」
まずは、「わける」としてサッカーの練習内容の分類を考えました。
整理したのが以下の通りです。
■サッカーの練習内容
◎ボールを触るスキル
・自分たちだけでできる
・自分たちだけではできない(シュート、ヘディング、ドリブル、パス、トラップ など)
◎ボールを触らないスキル
・自分たちだけでできる(短距離ランニング、長距離ランニング など)
・自分たちだけではできない(相手のマークを外す練習)
この「わける」を行ったことで、指導者や専門家がいない状況では自分たちだけでできる練習に特化するしかないことに気づき、走力強化に専念することが決定しました。
結論までの道筋を「つなぐ」
結論までの流れを「つなぐ」と、以下の通りとなります。
【勝つためにどんな練習をするべきか?】
練習する技術は4つに分類できる
↓
専門家に指導してもらうことは不可能
↓
自分たちだけでレベルアップできるスキルの練習をする
↓
走力の練習に特化
ただ、走る力を向上させるだけでは得点することはできません。
サッカーは得点しなければ勝つことはないのです。
そこで得点するための練習を考えるべく、得点する方法についてもう一度「わける」を行いました。
すると、技術力に乏しいチームが得点するには、上手にパスをつないで綺麗にシュートを決めるのではなく、コーナーキックやフリーキックなどのセットプレーから得点する方が有効であることに気づきます。
そして、セットプレーを獲得できるとき、つまり敵陣でファウルをもらえるのはどんなシチュエーションが多いかと考えると、ゴールライン近くでドリブルしているときがほとんどだという事実に気づいたため、ドリブル練習を実施することに決まりました。
その流れを「つなぐ」と、以下のようになります。
【得点するために必要な練習は何か?】
ボールを触るスキルの中でどれかを磨く必要がある
↓
敵陣にボールを運ぶ方法はドリブルとパスの2種類
↓
最も得点の可能性が高いのはセットプレーの場面
↓
出来るだけ敵陣でセットプレーを獲得できるような攻撃をすべき
↓
パスよりもドリブルのほうが有効
↓
敵陣深くまでボールを運ぶためのドリブル練習を行う
以上より、走力を鍛えるために長距離ランと短距離ランを行うこと、そして得点機会を得るためにドリブル練習を行うことが決定しました。
「わける」と「つなぐ」だけで問いに対する結論を導けることがお分かりになったかと思います。
「正解のない問い」に立ち向かうために必要な力
以上、「わける」と「つなぐ」でどのように論理思考を展開していくのかを、書籍『わけるとつなぐ』のストーリーを例に紹介してきました。
今回紹介したのは書籍の内容のほんの一例です。
他には「どうすれば多くの人に試合の応援に来てもらえるか?」「恋人に試合の応援に来てもらった方がいいか?」などのテーマについて「わける」と「つなぐ」を用いて考えるという場面もあり、そういった部分も楽しみながら読める一冊になっています。
VUCAと呼ばれる予測不可能な時代においては、これまで誰も直面したことのない「正解のない問い」と向き合い続ける必要があります。
そのような問いに自分の力で答えを出すために「考える力」は必要不可欠です。
その「考える力」について詳しく学びたいという方は、今回紹介した書籍『わけるとつなぐ』をぜひ手にとってみてください。
それでは、今回の記事は以上です。
お読みいただき、ありがとうございました!
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