【1分でわかる】坂口安吾著『堕落論』人間の本質的な生き方とは?(解説・まとめ・哲学・思想)

どうも大学を卒業したフルザワです。
コロナ禍でこれまでの価値観が大きく変わった今だからこそ、これからの生き方を考える上で参考になる本を見つけました。
それは太宰治と肩を並べ、戦後文学を牽引した坂口安吾の書籍『堕落論』です。(→書籍『堕落論』はこちらから)
本書は戦後間もない1946年に出版され、戦時中の思想を批判し、前を向いて生きていく活力を日本中に与えました。
―目次―
1. 坂口安吾の述べる堕落とは?
2.戦後の日本と人間らしさ
3.人間の本質的な生き方
4. 「生きよ、堕ちよ。」
「堕落」をテーマに、ここまで前向きになれる本は他にないでしょう。
働き方や生き方の指針を探している方は、ぜひ最後までご覧ください。
1. 坂口安吾の述べる堕落とは?
堕落と聞くと、読んで字の如く「堕ちる」に「落ちる」とネガティブなイメージがあるかもしれません。
しかし、坂口安吾の考える堕落とは怠惰に生きることを述べている訳ではありません。
むしろ、怠惰とは反対の意味を成していると言えます。
なぜなら、『堕落論』とは人間の本質とである堕落と向き合い、自分だけの生き方を見つけることを示すからです。
詳しくは3章以降で解説しますが、正しく理解するには戦後日本の状況を知る必要があります。
2.戦後の日本と人間らしさ
戦争で敗戦した日本には、生き残った日本兵と未亡人が多く生活していました。
しかし、荒廃した日本には仕事がなく、嘗ての兵士は闇屋として働き、夫を亡くした未亡人は新しい恋愛に目を向けていました。
武士道や天皇制を信じて日本政府に従っていた人々は、半年の内に日本政府の禁止していた行為を良しとしていたのです。
坂口安吾はそれまでの政府の規則に従わずに、自らが生きたいように生きる姿こそが人間らしさであると述べたのです。
なぜなら、そもそも規則やルールというのは国をコントロールすることを目的として存在しているからです。
何が言いたいのかというと、全ての人々は堕落するものであり、堕落は制度に制限されているのだということです。
3.人間の本質的な生き方
では、どう生きればいいのか?
それは堕ちるところまで堕ち抜くことです。
規則やルール、道徳的な思想に従うことは怠惰に生きることだと述べています。
しかし、人間はメンタルが弱いので覚悟がなければ、ありのまま生きることはできません。
どう生きればいいのかというと、外的な要因に左右されずに、内的な要因を元に自分だけの生き方を見つけていくべきなのです。
人間の本質的な生き方とは、過去の価値観から脱却し、新しい価値観を見つけながら孤独に歩むとこだという訳です。
4. 「生きよ、堕ちよ。」
坂口安吾の述べる『堕落論』とはすなわち、「堕落することを受け入れ生きよ。」と言うことでした。
現代においても、政治的理由で規則やルール、道徳的な思想が存在しています。
しかし、それらは人々が堕落しないために制限している制度に過ぎません。
一度それらの価値観を疑い、自分だけの生き方を見つけてみてはどうでしょうか?
世間から見たら堕落しているように見えたとしても、それは人間の本質的な生き方なのかもしれません。
本書はページ数がとても短いので読書が苦手な方にもオススメの書籍です。
内容が気になった方は、ぜひ実本を手に取ってをご覧ください。(→書籍『堕落論』はこちらから)
ではまた。
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