【日本経済】書籍『安いニッポン〜価格が示す停滞〜』失われた30年とは?(要約・まとめ)

どうも100均の中を散策するのが好きなフルザワです。
皆さんは100均に行く機会もあると思うのですが、100円均一で商品を買えるのは日本だけなのはご存知でしたか?
日本と同じ商品でも海外では2ドル、200円近くの値段で販売されているそうです。
中国の工場で生産されているため、関税がかかっている訳ではありません。
日本の物価は世界でも安く、ディズニーランドのチケットは世界で最安値なのです。
そんな日本の経済状況がわかる書籍『安いニッポン〜価格が示す停滞〜』について紹介していきます。(→書籍『安いニッポン〜価格が示す停滞〜』はこちらから)
ー目次ー
1.物価に対する日本人の認識
2.下がり続ける実質賃金
3.買われていく日本の資源
4.未来の子供たちのために
失われた30年という言葉や、日本がデフレであることは一度は聞いたことがあると思います。
しかし、デフレによる影響を普段から感じる機会がないのではないでしょうか?
それもそのはずで、日本経済は30年間停滞しているため変化を実感しにくいものなのです。
では、デフレは今後日本社会にどのような影響を与えているのか?
現在の状況と今後の日本について、その実態に迫っていきたいと思います。
1.物価に対する日本人の認識
物価が安いことは良いことだと思いますか?
この質問にわからないと答えたのが半数、良いと答えたのが悪いと答えた人の1.5倍であったそうです。
確かにコロナもあり、物価が安いことは私たちの生活を楽にしてくれるようにも受け取れます。
しかし、先進国の中で30年も物価が横ばいだったのは日本だけなのです。
本書では、物価に対する日本人の認識が最も危険なことだと述べられています。
なぜなら、物価が安いことは日本の停滞につながっていくからです。
それが如実に表れているのが、給与と物価による実質賃金の低さです。
実質賃金とはなんなのか、次の章で解説していきます。
2.下がり続ける実質賃金
実質賃金とは、給与の中でどれだけの物を買えるのかを示す値のことです。
給与が高ければ、購入できる物も増えますし、低ければ購入できる物が減ります。
では、日本はどうかというと、給与も安くて物価も安い国だということです。
更に、この30年間で実質賃金は下がり続けているのだそうです。
ただし、私たちの暮らしに不便がないことも事実としてあります。
なぜなら、給与が下がると同時に、物価も下がっているからです。
給与が下がって、物価が上がるとそれまでの暮らしをすることはできませんが、物価も下がると不便なく暮らせるのです。
つまり、日本はデフレの中にあり、日本で暮らすことに問題はないということです。
しかし、実質賃金の減少は他国との関係性を不利なものにしてしまうのです。
3.買われていく日本の資源
海外旅行に行く時、物価も安く、安全で、食事も美味しい国があったらどうでしょう?
それが正しく今の日本に当てはまります。
物価も高く、給料も高い国の人からしたら日本はとても魅力的な国なのです。
中国人の家電やブランド品の爆買いは2015年前後に起きた記憶に新しい話ですが、それは日本の物価が安い上に起きた出来事です。
海外から商品や観光に来られるのはまだ良いのではと思われますが、買われているのはそれだけではありません。
本書で特に懸念されているのは、土地・人材・企業です。
現在でも北海道のリゾート地であるニセコは一部の土地が外国人に購入され、土地の時価も高騰しています。
更に日本の制作会社の元で働いていたアニメーターは、Netflixなどの海外メディアから直接発注を受け、その才能を高値で買われています。
そして、日本製造業のノウハウやテクニックを入手するために、中国や台湾の大手企業は日本の中小企業の買収を始めているのだそうです。
これらの良い土地・人材・企業を海外に買われていく日本はこれからどうすればいいのでしょうか?
日本の未来を子供たちに繋いでいくために、私達にできることはあるのでしょうか?
4.未来の子供たちのために
本書の核となる部分は、日本人の物価に対する考え方を改めていくことでした。
つまり、物価や給与を上げていくことに対しての認識を良いものに変えていく必要があるのです。
現代は自分のスキルに値段を付けて交渉していける時代です。
物価を上げるためにもまずは給与を上げていけるように、個人のスキルを高めるべきなのです。
その為にも、本書ではお金を人材に投資していくことを推奨しています。
海外のITテクノロジーに劣らない様に、高度なスキルを若者が習得できる環境を整える必要があるのです。
高齢者に手厚い日本の方針を若者の教育にかけられる様に変えていくべきだと言えます。
日本の現状を受け入れた上で、私達一個人でできる将来への対策を考えいきましょう。
海外に進出するも、日本で生活していくにも英語の勉強やスキルの向上は求められるのではないかと思われます。
個人のスキルを向上させることは、子供たちの教育レベルを上げる行為にも繋がるはずです。
その為にも、まずは一個人で対策できることから始めていきましょう。
ではまた。
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