ルネサンスアートを生んだメディチ家のビジネスから学ぶ【仕事の教訓】とは?

キャリア

アートとビジネスの関係性

アートには創造性と思考力を養い、またセラピーにも用いられるほど心身へ効果があると言われています。

こちらの記事ではビジネスとの関係についてもご紹介しました。

そんなアートですが、紀元前から続く非常に長い歴史を持っています。特にルネサンスと呼ばれる時代は、優れたアーティストが数多くの名画を残したことで知られていますよね。そんなルネサンス、実はあるビジネス一家の登場によって隆盛を極めていたのをご存知でしょうか?

歴史は繰り返すもの。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という名言があるように、歴史から学び現代へ活用することは非常に大切です。人生100年時代を生き抜くためにも、過去の出来事を現在の自分へ応用する癖付けをしてみると良いでしょう。

今回は、そんなルネサンスとビジネス一家の関係についてご紹介していきます。

ルネサンスは再生・復興の時代

イタリアを代表する美術の隆盛期であるルネサンス。14世紀にイタリアで始まり、やがて西欧各国に広まったと言われるこの時期は、アートにとって「古典復興」の時代でした。

「再生・復活」を意味するルネサンスは、古代ギリシャの文化・芸術を復興しようという運動が元になっています。ローマ帝国の文化が栄えた土地イタリアで、古代の遺物から学び新たに「再生」したことが、素晴らしい作品が多く残った理由です。

ダ・ヴィンチミケランジェロボッティチェッリなどはアートに興味のない人でも一度は聞いたことがある名前でしょう。彼らはすべてルネサンス期に活躍し、その作品群は後世の人々に多大な影響を及ぼしました。

例えばダ・ヴィンチの作品がモチーフとなった映画や小説が現代でも新たに作られているほどですから、その影響の大きさは計り知れないでしょう。

ルネサンスを繁栄させたビジネス一家とは?

さてこのルネサンスですが、実はその隆盛にある一族が大きく関わっていたことをご存知でしょうか。その名も「メディチ家」。銀行家として知られ、フィレンツェで莫大な富を築いた一族です。

メディチ家の家紋(引用元:wikipedia

元は農民階級であったメディチ家ですが、14世紀になると銀行業へ進出。大きな利益を生みながら事業を拡大し、フィレンツェのみならずヨーロッパ各地でも支店を持っていたといいます。

その後はメディチ家は政界にも進出し、一族は優れた外交・統治能力を発揮しました。18世紀に末裔が死去するまで血縁は続き、その間も多大な功績を残したとされています。

そんな銀行家として成功したメディチ家の中でも随一と言われるのが「ロレンツォ・デ・メディチ」。優れた政治・外交能力をもつビジネスパーソンとして、ルネサンス絶頂の時代に生きた人物です。

ロレンツォ・デ・メディチ(1449年 – 1492年)(引用元:wikipedia

彼は一族が銀行業で得た利益をもとにパトロンとして大勢のアーティストを抱え支援し、ルネサンスの繁栄に貢献しました。そして美術家のローマ・ヴェネツィア・ナポリ・ミラノなどへの派遣も行い、ルネサンス美術が大きく広まる分岐点を作ったのです。

メディチ家のビジネスとは?

さて、美術史において多大な成果を残したメディチ家一族の権力は、彼らの銀行業の利益から生まれていました。

当時のキリスト教圏では「金融=悪」として宗教上の罪の扱い。「何も求めずして貸せ」というキリストの言葉が元になっており、これに背いて金利を取るなど言語道断。非難の対象になるばかりでなく、キリスト教信者として埋葬されることも叶わなかったとか。

歴史に詳しい方は、このような背景から金融業に就くのが「ユダヤ系」の人々であったことをご存知でしょう。職業差別を受けていたユダヤの人々にとって、キリスト教圏で誰もやりたがらない金融はうってつけだったんですね。

ではメディチ家もユダヤであったかというと、そうではありません。実は彼らは金貸しではなく「両替商」であったといわれています。彼らは世界で初めて「為替手形」を使い、諸外国との換金額差を利用し儲けていました。

当時としては画期的であった「外貨差額を利用した商売」。キリスト教圏でありながら金融を営むために、金利を取らず儲ける手段を発明したことで、メディチ家は莫大な資産を築きました。それがイタリアが誇る黄金期ルネサンスの隆盛につながることになったのです。

メディチ家の成功から見るビジネスの教訓

メディチ家の功績は多くのビジネスパーソンにとっても大きな教えを残しています。

新たな業態で先行者利益を得た

市場におけるパイオニアは先行者利益を得られますが、前述の為替手形はメディチ家が初めてビジネスに活用したと言われています(諸説あり)。さらにメディチ家は先見の明があり、銀行業以外にも後の時代に発展する織物工業へ早い時期から投資していたといいます。

近年の先行者利益といえば「Youtuber」が挙げられるでしょう。2017年の時点で市場規模は既に200億円を突破しています。黎明期に活動していた人物は、まるで有名人のように持て囃される時代に。今から彼らと同じことをしても稼げないと言われていますから、先行者利益を上手く掴んだ好例と言えるでしょう。

情勢を逆手に取る柔軟な発想

キリスト教圏において、文化の形成に聖書が大きく関与していることに疑いの余地はありません。前述の「金融=悪」という考え方も、聖書に則り人々の価値観を作り上げていきました。しかしメディチ家は多くの人々が手を出さない金融業に進出し、なおかつ宗教観的問題をもクリアして成功。いわば発想の転換です。

例えば、近年の人口減少を逆手に取り、ビジネスのデジタル化を進めたり主力商品を一新したりする企業が増えています(引用元:mugendai)。情勢に流されるのではなく、新たなビジネスチャンスが転がっていないか目を光らせることも重要でしょう。

盛者必衰の理

メディチ家は莫大な資産を築き、その影響力は政治にまで及ぶようになりました。しかし、前述のロレンツォの時代には資金難に陥るなど、覇権が続く間も順風満帆とはいかなかったようです。さらに、ロレンツォ亡き後はルネサンスも下り坂。芸術の本場はパリへと動いていきます。

どんなビジネスでも未来永劫続くとは限りませんよね。現代の日本では9割の会社が10年で倒産すると言われています。事業が当たって調子が良いときこそ、未来を危ぶむ目が必要かもしれません。

歴史から学んで現代に活かそう

どんな時代にもキーマンと呼ばれる人々がいます。彼らの功績から学ぶことができれば、自身の経験以上に大きな知見を得られるかもしれませんね。

今回はアートが隆盛を誇ったルネサンス時代のビジネス一家、メディチ家についてご紹介しました。もっとよく知りたいという方は、こちらの書籍「メディチ・マネー ルネサンス芸術を生んだ金融ビジネス」がおすすめです。

過去の事例を現代に応用して、教養と同時に応用力も身につけていきたいですね。

参照:
メディチ・マネー ルネサンス芸術を生んだ金融ビジネス
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