なぜ551蓬莱の豚まんは愛され続けるのか?その理由は顧客への【GIVE&GIVE】にあり

キャリア

大阪名物として知られる蓬莱の豚まん。豚まんは販売開始から75年以上の歴史を持ち、全国にファンがおり、多くの人々から愛される商品です。

そんな豚まんを製造しているのが551蓬莱。創業以来中華料理チェーンとして確固たる地位を築き、関西圏を中心に60以上の店舗を構えています。

そんな551蓬莱ですが「GIVE&GIVE」という精神を企業理念に持っています。一見無駄が多く、コストがかさみ、非効率な事業を続けながらも、顧客への高品質なサービスを提供していることで、多くのファンを獲得してきました。

今回はそんな551蓬莱の「GIVE&GIVE」について解説します。

効率化やコストカットではなく、ときには利益を度外視して顧客に尽くすことが、結果的に成功へつながる場合もあるのです。ビジネスモデルのイレギュラーな事例も学んで、臨機応変な対応ができるビジネスパーソンを目指しましょう。

551蓬莱とはどんな企業?

 

 

創業は終戦後の1945年。大阪の難波で開業した中華料理店の「蓬莱食堂」が前身です。

今でこそ551蓬莱といえば豚まんですが。創業当時はなんとカレーライスを販売していました。中華料理ではないものの、その美味しさから非常に人気があったといいます。

しかし戦後の復興が進むにつれ業績に陰りが見えてきたところで、当時神戸で流行っていた小籠包大の「豚饅頭」をヒントに豚まんを製造します。創業翌年、1946年のことでした。

豚まんは豚肉と玉ねぎだけのシンプルな具材とフワフワとした食感の皮で人気を博し、現在まで愛される551蓬莱の看板商品へと成長していきます。豚まんの人気とともに、551蓬莱の人気も確固たるものになっていきました。

そんな551蓬莱ですが、創業当時から顧客を第一に考えていたのです。カレーライスをメニューにしたのは「安く・早く」提供できるから。豚まんを開発したのも「手軽に食べることができてボリュームのあるもの」だから。

結果的に収益へつながったものの、「顧客に喜んでもらえるもの」を提供する姿勢は創業時からすでに企業理念として重視されていました。すでにGIVE&GIVEの精神がそこにあったのです。

GIVE&GIVEの精神は551蓬莱の企業理念に

551蓬莱の代表取締役社長、羅賢一氏は次のように語っています。

この世の中、全て「GIVE&TAKE」で成り立っているように思われているが、「この業界」では実はそれは通用しない。

フードサービス業界では「GIVE&TAKE」ではなく、「GIVE&GIVE&GIVE&GIVE&GIVE・GIVE・・・・」。お客様に「与えて(尽くして)」「与えて」「与えて」・・・「与えぬいた」者だけが、お客様からの「笑顔」や「ありがとう」という「・・・&TAKE」を頂くことができる。

そしてこの業界に就職するという事は、「サラリーマンになる」事ではないことを自覚して欲しい。我々は「商売人」であるべきなのだ。自分の「都合」や「権利」を主張する人には「フードサービス業」は向いていないであろう。
(引用:https://www.551horai.co.jp/company/outline/

このように551蓬莱では、

「どれだけ顧客に与えることができるか」

を常に重視しています。これは創業からの理念であり、終戦から間もない中で店を開いた蓬莱食堂から引き継がれた精神なのです。

ではそんな理念が実際の事業へどのように反映されているのか見ていきましょう。

551蓬莱の【GIVE&GIVE】な取り組み3選

GIVE&TAKEは与え合うこと求める概念です。一方のGIVE&GIVEは対価を求めず与え続けるという概念。一方的に与え続けるというのは、考えようによっては「損をしている」こともあります。

ですがその企業精神があるからこそ、551蓬莱は多くの顧客へ高品質なサービスを与え続け、結果的に利益を上げることができているのです。

それでは551蓬莱の【GIVE&GIVE】な取り組みを厳選して3つ紹介していきます。

1:コストをかけてでも品質へこだわる

551蓬莱で販売される豚まんの具材は全て当日仕込んだものです。その理由は出来たてを食べてもらいたいから。作り置きは決してせず、工場で具材を調理したあとは店舗へ配送し、お客さんの前で豚まんを包んでいきます。

しかも1日4回にわたり工場から配送を行い、鮮度の良い具材を常に用意しているのです。手間もコストも掛かる上に、近年は物流業界の配送料は値上がりし続けています。それでもなお具材の鮮度を優先し、お客さんに届けているのです。

2:増益の機会よりも顧客の利益を優先する

551蓬莱のテイクアウトサービスが始まったのは1952年のこと。当時は今のように紙袋での持ち帰りではなく、木折の箱に入れて提供していました。しかし、551蓬莱ではその箱代をお客さんへ請求しなかったのです。

当時の飲食業界では持ち帰り用の容器代は顧客へ請求するのが通例でした。しかし551蓬莱はそれに従わず、「店舗でも自宅でも同じ価格で食べてほしい」という思いから無料で提供したのです。するとテイクアウト販売も好調になり、結果的に収益は伸びていきました。

3:フランチャイズ化せず直営店としてブランドを守る

販路を拡大して利益率を上げる戦略として「フランチャイズ化」はよく挙げられる手法です。本部がノウハウを提供する代わりに月々のフランチャイズ店舗の売上からロイヤリティを受け取れるので、多くの業界でも導入は進みました。

一方551蓬莱は、利益の拡大よりも品質の確保を取りました。創業当時から遠方の顧客も多かったことからフランチャイズ化すればかなりの利益が見込めたはずですが、それよりも直営でなくなることでの品質の低下を避け、「蓬莱の豚まん」のブランドを守ったのです。品質を保ったことで、販路を拡大せずとも関西の販売店へ全国から顧客が訪れるようになりました。

他にも551蓬莱では店内でお客さんが豚まんにカラシをつけていたことから、テイクアウト時も豚まんとカラシをセットで提供するなど、常に顧客の好みを大切にしています。しかも添付されるカラシまで自社で製造しているというこだわりよう。

また関西圏以外の顧客も大切にしており、遠方の方でもオンラインストアで豚まんを購入することが可能です。また、その豚まんは冷凍ではなく冷蔵。冷凍で日持ちさせるよりも味が落ちないように冷蔵を選択し、さらにオンライストアの豚まんもすべて手作りです。

手間がかかり、一見損をしているようでも、顧客第一の精神を貫いて成功した企業が551蓬莱なのです。仕事で良い案が浮かばない…行き詰まりを感じたときは利益を度外視してみても良いでしょう。成功したモデルから学んで、プロジェクトに落とし込んでみるのも良いかもしれません。

551蓬莱の企業精神から学ぼう

機械化・効率化は当たり前の時代ですが、551蓬莱の戦略は時代と逆行するような事業モデルといえるでしょう。しかしそれでも顧客の心を掴み、1945年の創業以来長年に渡り愛され続けています。

また工程の手間をかけるということは、それだけ雇用を生み出しているということでもあります。機械化や全自動化は社会にとって素晴らしい技術ですが、雇用を守りつつ人件費をかけてでも品質を守る姿勢も同じく社会的に意義があるでしょう。

GIVE&GIVEの精神でコストを掛けてでも顧客第一の品質を守り抜く企業として、今回は551蓬莱を紹介しました。どんな企業なのかさらに知りたい人はこちらの公式HPへ、また実際に商品を買ってみたい人はこちらのオンラインストアへアクセスしてみてください。

 

参照:
551蓬莱
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yuya

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