ベーシックインカムとは?書籍『「現金給付」の経済学』(要約・まとめ)

キャリア

どうも大学時代に行動経済学を学んでいたフルザワです。

近年ベーシックインカムを推奨する考えがよく話題となっていますが、皆さんはその内容についてご存知でしょうか?

ベーシックインカムとは?
=国民全員に生活できる範囲最低限度の給付金を無条件で与える制度

簡単に言うと、毎月生活できる最低限の現金が給付されるという訳です。

では、なぜ近年ベーシックインカムの考え方が注目されているのでしょうか?

また、制度の導入による障害や弊害はないのでしょうか?

そこで今回は書籍『「現金給付」の経済学』を参考に、ベーシックインカムの考え方に至る背景から制度のこれからについて紹介していきます。(→Amazonリンクはこちらから)

ー目次ー
 1.ベーシックインカムに至る背景
 2.社会保障制度の問題点
 3.ベーシックインカムについて
 4.まとめ〜政治制度への関心〜

現金給付と聞くと、コロナ禍において国民全員に現金10万円を給付されたことが記憶に新しいと思います。

政府が国民に給付金を支給するということは、それだけ生活に困窮する方が一時に増えたという訳です。

つまり、ベーシックインカムの根底には経済的弱者を救済するという意図があることがわかります。

現在でも似たような制度として、生活保護があります。

生活保護とは?
=生活に困窮する方に対し、その困窮する制度に応じて自立を助成する制度

しかし、本書では生活困窮者の2割しか生活保護を受けられていないと述べられています。

そのような問題もあり、ベーシックインカムの導入が検討されているのです。

このような実態は日本だけではなく、世界中で議論されているのです。

では、ベーシックインカムの考え方に至るまでにはどのような経緯があるのでしょうか?

その背景ついてより詳しく見ていきましょう。

1.ベーシックインカムに至る背景

ベーシックインカムが注目され始めたのは、2020年にイギリスの首相やローマ教皇が検討を発言してからだと言われています。

なぜベーシックインカムが検討されているのかというと、大きな原因として経済格差の拡大が挙げられます。

これは全世界で広がっており、特に低所得層の増大が問題になっています。

貧富の差による経済の二極化が拡大した要因は主に2つあります。

①ITとAIの発達
②新型コロナウイルス

ITとAIの発達は私たちの生活を向上させ、仕事の効率を高めてくれています。

例えば、コロナ禍においてリモートワークやオンラインでの会議が広まり、多くの人が場所を選ばずに仕事ができることに衝撃を受けたはずです。

しかし、全ての仕事がオンラインで完結できるようになった訳ではありません。

新型コロナウイルスの影響で多くの飲食店が打撃を受け、廃業を余儀なくされた企業も数多くあります。

コロナは時代の流れを加速させたとも言われていますが、その結果貧富の差は拡大したと言われています。

日本はかつて一億総中流階級時代と呼ばれ、中間層と富裕層が貧困層を支えるという構図が成り立っていましたが、今やその構図が崩壊しているのです。

そこで低所得者を救済する制度として、ベーシックインカムの導入が検討されているのです。

2.社会保障制度の問題点

社会保障の歴史は17世紀に始まり、これまでに3種類の制度が考案されてきました。

これら3種類の社会保障制度は現代でも利用されており、これらの総称を自助・共助・公助の原則と言われています。

自助=自身や家族で備える(労働)
共助=地域で助け合う(社会保険)
公助=行政による援助(生活保護)

これまではこれらの制度により社会保障を充実させてきたのですが、時代の流れと共にこれらの制度が破綻しようとしているのです。

中でも社会保障制度の砦である生活保護に欠点があるというのです。

生活保護の理想としては、公助により自助が可能なまでに支援することなのですがそれが難しいと言います。

なぜなら、生活保護の受給者が自分が働いて稼ぐと給付額が減るからです。

つまり、働かなくても給付金が貰えるのであれば働かない方が良いと思ってしまうということです。

それに冒頭でも紹介しましたが、生活保護を受給するには厳しい審査があり、捕捉率(=貧困者数に対する生活保護の受給者)は全体の2割程度だと言います。

社会保障制度にはこのような問題があり、すべての生活困窮者を救うためにもベーシックインカムの導入が検討されているのです。

3.ベーシックインカムについて

皆さんはベーシックインカムの内容についてどれだけご存知でしょうか?

 

 

 

 

私たちの生活に大きく関わることであるからこそ、制度が導入される前にその内容を把握しておいた方が良いでしょう。

そこでベーシックインカムに対する大まかな概要を3つ紹介していきます。

①財源はどうするのか?
②今までの社会保障は?
③支給額はいくらになる?

①財源はどうするのか?

まず第一に挙げられるのが、どこから財源を確保するのかということです。

日本に関しては、ただでさえ年金や国債など財政に関する課題があるように思います。

ベーシックインカムに関してはどこから財源を確保するのかと言うと、富裕層の増税と国債です。

簡単に説明すると、富裕層から貧困層に対して富を再分配するという構図になります。

ただし、もちろん富裕層がその条件をすんなり受け入れるはずもないので、難しい計画とも言えます。

また、国債の発行が国の財政を破綻させないのかという疑問も残ります。

②今までの社会保障は?

ベーシックインカムが導入された時、これまで私たちを支えてきた自助・共助・公助の原則はこれからどうなるのでしょうか?

今まで生活保護を受給してきた方に関して言えば、生活に関わる大きな支柱を失う恐怖も伴うでしょう。

これまでの社会保障制度に関しては、一切なくすという、一部なくす、全部残すと言った3つの選択肢があります。

著者の意見では、今までの社会保障は少しずつ減らし、ベーシックインカムも徐々に導入することを推奨しています。

ただし、ヨーロッパの一部地域ではベーシックインカムの社会実験すら国民の反対もあり導入されなかった事例もあります。

弱者を救うための政策とは言え、既存の社会保障制度を変更することは多くの国民から賛同を得ることが先決でしょう。

③支給額はいくらになる?

ベーシックインカムの目的は全国民に一定の所得を配布し、最低限の生活を保障することです。

では、その支給額はいくらなのでしょうか?

目標としては、月に10万円程度の支援金を配布することだと言われています。

しかし、いきなり全国民にそれだけの支援金を配るだけの資金力はないでしょう。

そこで本書は、少額からの増額または固定費+国家の景気による変動によって決めることを推奨されています。

確かに今すぐの導入は難しいですが、少額から始めることならできるはずです。

また景気の変動によって支給額を変更させることも、今回のようなコロナ禍においては必要な措置だと言えます。

4.まとめ〜政治制度への関心〜

ベーシックインカムについて理解を深めることはできましたでしょうか?(→書籍『「現金給付」の経済学』はこちらから)

おそらくこれまでの社会保障制度の歴史や内容を初めて知る方も居たのではないかと思います。

その社会保障制度の新しい試みとして、これからベーシックインカムが導入されるかもしれないのです。

自助・共助・公助というこれまでの社会保障の進歩をベーシックインカムが新しい段階へと進めてくれるでしょう。

ベーシックインカムの導入にはまだまだ課題がありますが、私たち国民が政治制度について関心を持つことでより良い社会が作られるはずです。

政治制度に関心のなかった方も、私たちの身近に存在する国の制度としてこれを機に少しでも関心を持って頂けたら幸いです。

自らが政治に参加することで、より納得のいく制度が実現されることを応援していきましょう。

ではまた。

furuzawa

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F.CHINと呼ばれている男。本や映画、様々な経験から学んだことをわかりやすく紹介していきます。AppleMusicでプレイリストを作るのにハマってます。

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